「くそババアの愛。」愛しのアイリーン 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
くそババアの愛。
原作漫画を読んでいたときも、アイリーンの勝手な理屈に腹が立ち、岩男の煮え切れなさに苛立った。だから、ラストまで読んでいない。原作が同じラストかどうかは知らない。でもあの漫画家ならあの結末もありだろうな、と思う。
歪んだ愛、盲目の愛、滅私の愛。
愛の形は、美しいものばかりではない。木野花の演じたババアを見ればそれを強く感じる。だけど、その嫌悪感が、最後に見事に昇華された。ババアの人生を知ることで、見方がガラリと変わったのだ。そう思えるほど木野花の演技が素晴らしかった。
お目当ては、奇妙礼太郎の歌う主題歌。どの映画もそうだが、物語との脈絡はない。だけどあの優しげなワルツの旋律と彼のかすれた歌声が、スコップでほじくり返された僕の心を、柔らかく癒してくれた。
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