劇場公開日 2018年9月14日

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「笑いながら泣いた」愛しのアイリーン andhyphenさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0笑いながら泣いた

2018年9月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

事件だ!あんなにがんがん放送禁止用語を叫んでいいのか!
...はまあ別にして、人間の欲望とか愛とか純情とかしたたかさとか、とにかく色々な感情の在りようをぐちゃぐちゃに、それなのに限りなく綺麗にまとめてしまった傑作だと思います。笑ったし泣いたし、私の心もぐちゃぐちゃです。
原作は未読ですがあらすじは見知っていた、程度でしたが、ものすごく腹を掴まれたというか...。
ものすごく典型的な田舎の光景(と思ったら新潟だったんだね...)、田舎の人間の馴れ馴れしさと、それでいてよそ者を拒絶する感、いきなり正義みたいなことを語り出すヤクザ(これが伊勢谷友介だっていうのがいいよね)、血みどろ、セックス、汗、とにかく欲望に満ちてる。訴えかける力が強かった。持っていかれた。映画としての画の美しさは捨てているのに要所の美しさも壮絶というか。
安田顕は汚いし喋り方ももっそりしてるし目に光がない。「ああ...これは...」という感じがすごい。特に後半、転げ落ちるように狂っていく様。恐ろしいけど愛おしいという感覚。
他のキャストもとにかく凄いというか、自分が手にした役を当たり前のようにモノにしていて息を飲むようでした。特に河井青葉...なんというかあの役があそこまでしっくりはまってしまう女優さん貴重だと思ってしまった。
最後のアイリーンの台詞に強かさを感じました。

andhyphen