劇場公開日 2018年9月14日

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「分かり易さ=暴力」愛しのアイリーン いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5分かり易さ=暴力

2018年9月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

主演女優のピーナを観て、その作品名と相俟って気付いた。『この漫画、観たことある・・・』 それまで丸っきり思い出せなかったというかその題名すら失念していたのだが、確かに漫画の女の子とソックリである。主演の安田顕は似てるかどうかは今でも覚えていないが・・・。
平成最後の年にこの漫画を映画化した意義は大変重要である。この泥臭さ、そしてマグマのような熱量と、圧倒的な鬱屈感。相当のグラビティを表現したこのテーマは、観る者全てを地獄の底迄追い詰める内容である。
とりもなおさず、今作品のMVPは、木野花であろう。今までの全ての演技歴をここに投入したかのような気迫溢れる演技、本当に目を見張る、否、俳優魂を感じ取れた希有の女優であると改めて感服した。この人の魂無くして今作品の成立はあり得ないと心から思う。勿論、主演二人の演技、そして演出も秀逸なのだが、次元が違うレベルでの木野花の演技は他の追随を許さないステージだ。あの役を他の女優ができるか想像しても全く思いつかない。日本アカデミーでの本年度の助演女優賞は件の女優に差し出すべきだと本当に強く願う。
勿論、それ以外の本作品の全ての俳優の圧倒的な演技力の確かさに全く以て感動を覚えた。確かに原作そのものがあまりにも沸騰点に近い熱さにあるのがベースではあるが、それをきちんと昇華させているキャスト陣に改めて拍手を送りたい。
今作品、圧倒的に記憶に残る作品であることは間違いない。

真嶋琴美役の桜まゆみは、この怒濤の演出に別のスパイスで華を添えている。大変素敵な女優さんである。

いぱねま