蜷川幸雄シアター2「身毒丸 ファイナル」のレビュー・感想・評価
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もう一度ぼくを
内容は把握しているとはいえ、改めて凄まじい演劇に心臓掴まれて仕方なかった。
幼稚で痛々しい身毒の撫子への言動に苦しくなり、彷徨う彼に辛くなる。
藤原竜也は20歳の年で、あまりにも儚くて綺麗で美しくて、全身震わせて演じる姿がとても怖く感じた。
手の中のカミキリムシを眺めるシーンと撫子の着物と襦袢を着ているシーンが好き。
白石加代子の地の底から突き上げてくるような声の出し方が好きで、その迫力ありすぎな演技にはやっぱり圧倒される。
今年、ムサシの再演で藤原竜也と白石加代子の二人を舞台上で観ることができて幸せだなと思った。
というか、白石さんあまりにも見た目が変わらなすぎな気がするんだけど…
魑魅魍魎エンターテイメントなとんでもない演出にも改めて度肝をぬかれるしただただ驚きと鳥肌の止まらない90分だった。
仮面売りとお手伝いさんの独特な雰囲気が壮絶な空気の中でひとつアクセントになっていた。
舞台を観に行くようになって短いけれど、何を観ても最後のカーテンコールには物語とは違った高鳴りがあって好き。
今作もカーテンコールまで映してくれるんだけど、最後ちょっとだけ皆んなで手を繋ぐのに藤原竜也と仮面売りのおじさんの間で手を繋ぐか繋がないかの微妙なやり取りがさりげなく行われていて可愛くてしんどかった。
蜷川幸雄シアター、DVDでは叶わない大画面で舞台を観られるなかなかない機会なので恒例にして欲しい。
あとできれば劇場のボリュームをもう少し上げて欲しかったかな…
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