劇場公開日 2018年3月17日

  • 予告編を見る

「☆☆☆★★ 《 It' a Wandaful Life 》 ジェー...」フェリーニに恋して 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0☆☆☆★★ 《 It' a Wandaful Life 》 ジェー...

2018年3月21日
iPhoneアプリから投稿

☆☆☆★★

《 It' a Wandaful Life 》

ジェームス・スチュアートは悔いを残しながらも、周りの人達の暖かさに支えられ敗残者にはならずに済んだ。
とは言え。チャンスは待つよりも、自らが掴み取るモノでも有る。

一念発起でクリーブランドへ行った彼女。ふとした事から【ザンパノ】に導かれ、或る1本の映画と出会う。

その映画こそはフェリーニの名作『道』

かくして、彼女はジェルソミーナとなりイタリアへ。

一応はフェリーニの諸作品が、度々画面上に映るので、あまり戸惑う事は無いと思えるのですが。
マンガーノのシルヴィアと、マストロヤンニのグイド擬きとゆう人物が加わり。『甘い生活』と『8 1/2』を併せた様な退廃的なパーティー場面が展開される。
交互に元ネタが画面に提示されるとは言え。流石に、事前にフェリーニの『甘い生活』と『8 1/2』を観ていないと、意味は分からないかも知れないですね。

やがて舞台はベニスへ。
フェリーニでベニスと言えば『カサノバ』だ!

稀代の女たらしことカサノバ。
『カサノバ』こそは、その女性遍歴を不毛な愛として描き。それを宇宙の真理に行き着いたかの様に描くフェリーニの宇宙論にさえ思えた大作だった。
だからこそのなのか?この地での逆説的に運命的な彼との出会い。
でもこの時のラブシーンは、どう観ても。子供の時に母親と一緒に観ていた『ロミオとジュリエット』ですけどね。

この彼こそは『道』に於けるイルマットにあたる訳なんですが…。面白く観ていたのはこの辺りまでだったかなあ〜。
個人的に『フェリーニの道化師』や、『フェリーニのアマルコルド』『フェリーニのローマ』…と言った、他にも沢山有る大好きなフェリーニ作品の要素が無いのも、残念だったところでしょうか。

ところで《ブルーラグーン》ぐらいは、何故『青い珊瑚礁』で表示しなかったのかな?
母親とおばさん曰く「ソフトポルノ」だから?
そんな事を言っちゃったらブルック・シールズが可哀相だわ。
でも5回もアカデミー賞に輝きながら。「フェリーニって誰?」って言われちゃうよりも、まだましかなあ?

2018年3月21日 恵比寿ガーデンシネマ1

松井の天井直撃ホームラン