カツベン!のレビュー・感想・評価
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無声映画時代の話を楽しめた
簡単には撮り直しができないので野次馬の子供が写り込んでしまった映像をそのまま使ってしまう、活動弁士が語り口で悲劇的な映画もコメディにしてしまう等、この時代を舞台にしなければできないような色々な場面を見れました。話にまとまりが無いという感想もありますが、色々大雑把な時代を舞台にした映画の雰囲気なのでまあいいのかな?という個人の感想。
劇中様々な無声映画が出てくるのですが、それらは全て新しく撮影されたものなのは良いと思いました。現代からすると昔の映画ですが、作品の舞台となった当時では最新の映画ですので。
上質のコメディ
ようやく観ることができました。
公開されてすぐに映画館が軒並み冬休みモードになって、上映時間が限られてしまい観に行けなかったけど、この作品は映画館で観なくては!と思っていたのです。
しかし観に行った映画館がミニミニシアターだったのでスクリーンが小さく、DVDでも良かったかも?と感じるほどだったけど、映画は面白かった!
近年まれにみる上質なコメディで、さすが周防監督。
有名俳優を惜しげなく使っていて、たいそう気合が入っていたみたい。
主役の二人が役者不足だったのが残念だけど、周りが芸達者だったから作品全体としては、とても楽しめました。
終わり方も良かったです。
もっと上映館を調べておけば良かったな。
木戸銭が高い、と思ったのは久しぶり。
「活動写真」は「無声映画」にあらず。
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日本に映画というものが輸入されてから、「発声映画(トーキー)」が普及するまでのごく短い期間を全盛期とした活動弁士。映画は彼らの語りによって喜劇にも、悲劇にもなる。解釈の余地の幅があるからこそ、彼らが扱うのは「映画」ではなく、活動「写真」なのだ、ということを、楽しみながら理解させてくれます。
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様々な小道具が画面内に凝縮していて、見ているだけで楽しめます。様々な道具の中には、時代考証に則った要素も、創作的な要素も含まれているのでしょうが、全体として統一観のある世界を構築しています。
同時代の映画産業の変遷を扱った作品としては、『アーティスト』(2011)があり、こちらもまた優れた作品ですが、サイレント映画の挽歌とトーキーの勃興を扱った『アーティスト』と比較して本作は、山岡秋聲の台詞を使って時代の移り変わりを示唆する場面はあるものの、あくまで活動写真の活き活きとした側面に焦点を当てています。
なお、成田凌さん扮する染谷俊太郎が頼りがいがあり過ぎて、永瀬正敏さん扮する山岡秋聲との師弟関係、そして成長物語としての要素がやや薄まってしまったように思いました。
既に全廃してしまったかのように思える活動写真ですが、現在も様々な劇場で公開されており、活動弁士として活躍している方も多数おられます。こうした実際の活動弁士の語りを聞きたくてたまらなくなるような作品でした。
笑いあり
豪華!!
幸せの在処
先日、勝新さんの「座頭市」を、テレビで観ました。すでに多くの役者さんが、鬼籍におられますが、CG の無い時代、御見物を感激させんが為、文字通り、体を張っておられました。その魂魄溢るる勇姿に、圧倒されるばかりです。
CG どころか、音声もない時代から、映画は、エンタメ産業。そこには、ガチで頑張ってるけど、ガチで滑稽な、活劇屋の珍道中が、あったようです。
しかし弁士さん、すごいですね。本(シナリオ)が無いと云うか、弁士さんの数だけ、本があると云うか。咄家さんみたい。そして、弁士を極めたが故に、弁士の欺瞞に、うちひしがれる人までいたり。私達の物差しでは、測れない人の生態を、垣間見た気分です。
そんな人たちだからこそ、幸せの在処も、それぞれ。でも、これでいいですよね?。だって人の幸せって、標準化できるものでは、ないのだから。
ほとんど監督さんの映画愛で、構成されている作品なので、マニアックと云うか、かなりベタな展開。しかし、だからこそ、私達の映画愛が、試されるわけです。
ここは私達の、新しき活動写真小屋、すなわちニューシネマパラダイスに、喝采を贈るのが、粋な御見物でしょう。
帰りにキャラメル買うのも、忘れないでね。
活動写真に出てくる人たちに注目
弁士の成田凌をずっと見ていたい。
面白かった😁
松岡茉優ちゃんと共演したドラマを観て、また「人間失格」にも出演なさっていて、成田凌さんをなんとなく好きになってストーリーが面白そうだったので劇場で観ました。
成田凌さんの本気出して演じているのが伝わるような、また初主演作品として本作をものすごく大切になさっている様子とかがみてとれました!
成田凌さんの発声がとにかく大きくて凄かったですね。ビックリするほどでした‼️
メリハリ効いた演じ方で、ワクワクハラハラしながら前のめりで観ていたからあっという間にエンディングでした!
成田凌さんはとても背が高いので、とってもスクリーンに映えて見惚れました。
昔のチャリンコ?に全速力で爆走しているシーンは笑っちゃいました、
また成田凌さんを支える他のキャストの皆さんもホント良かったです☺︎
チームワークの良さが伝わるような雰囲気でした☺︎
ストーリーは大正時代なので趣があってとっても素敵でした。
セットも素晴らしく、手の込んだ作りでホントに素晴らしかったです。
キャスト・スタッフさんの良い作品にしようという意気込みを感じました!
是非、まだご覧になっていない方は大きいスクリーンで観ていただきたいです。
オススメいたします(๑˃̵ᴗ˂̵)
エンターテイナー!
活動弁士(カツベン)とは、サイレント映画隆盛の時代、スクリーンの傍らで、その画に合わせて内容を解説するエンターテイナーのこと。日本独自の文化で、現在でも活躍する弁士が十名ほどいるほうな。
それぞれが我流のワザを駆使する事で、恋愛物が三流コメディ映画に成り変わったりと、弁士の腕次第で作品の良し悪しが全く違ったものになるから面白い。
その昔、日本の無声映画は活動弁士ありきで作られていたそうな。今々観ると物足りなさを感じるのは当たり前のこと?
恋あり、笑いあり、アクションありと映画の楽しさがいっぱい詰まったゴージャスな作品。日本の古き良き時代をご堪能あれ。
鑑賞前に周防監督のインタビューを読んでおくと色んな知識が身について、より楽しめるかと思います。
成田凌の役者ぶりを堪能
キャスティングがいい。
それに応えて役者たちの演技もいい。
セットなどの美術も所々いい。
撮影も悪くない。
…なのに、何か物足りなかった。
周防監督の映画愛が結実した作品なんだろうか。
片島章三氏(経歴は存じ上げないが)が永年暖めてきた脚本らしいが、このお二人の意識にズレはなかったのか。
ドタバタ喜劇なら、それはそれでいいと思うが、だとすれば笑えない。
何かを伝えたかったのではないかと思うが、それが伝わらない。
自分の理解力のなさが原因かもしれないが。
例えば、山岡秋聲(永瀬正敏)が説明し過ぎる弁士を否定するような場面がある。
だが、クライマックスで山岡は「つぎはぎ活動写真」を作らせ、染谷俊太郎(成田凌)ならそれを上手く語れると言う。さらに、俊太郎が間に合わないと見るや自分が舞台に立とうとする。
ここに矛盾がありはしないか。
事件が起き、小屋の窮地を救うためだからポリシー云々は関係ない場面ではある。
ならば山岡がポリシーと流行とのギャップに苦しむ場面の意味は何だったのか。
俊太郎がそのポリシーを受け継いで花を咲かせるという訳でもないのだ。
よく知らないが、
当時の活動弁士は小屋付きとフリーランスの二種類いたのだろうか。
主人公俊太郎は、山岡秋聲の巡業を騙る窃盗団に加担する。
一方で、山岡を初めとした弁士たちはみな劇場との専属契約の様だった。
山岡は落ちぶれて小屋付きになったということか。
また、
映写技師が細切れのフィルムをコレクションしていたが、劇場で編集していたのだろうか。
フィルムは興業主が買い付けて所有するので、劇場どうしでフィルムの貸し借りをすることも昔はあった。(昔と言ってもこの映画の当時のことは知らないが)
でも、作り手が編集した完成品を買い付けていたはずだ。
当時は劇場が編集し直したりしていたのだろうか。
ただ、フィルムを編集している場面は「つぎはぎ」を作る過程以外には出てこない。
とは言え、見所は多い。
映画の冒頭で描かれる大正時代の撮影風景は、往時を想像させて面白い。
そこに主人公たちの幼少期が重なって、郷愁を誘う。
靑木館の3人の弁士は特色がハッキリしていて、良いキャラクターだ。
何より、主人公の成田凌と高良健吾は、語りの演技が見事だった。それなりのトレーニングを積んだのだろう。
最も残念だったのは、「つぎはぎ」上映の後のドタバタだ。
可笑しい場面もあったが、無駄に長く引っ張った印象だ。
これでは笑えるものも笑えなくなる。
ヒロイン梅子(黒島結菜)を絡めたラストのシークェンスは、セオリーと言えばそうなんだが、良かったと思う。
「終わり良ければ全て良し」に従うなら、冒頭も良かったし、及第点かもしれない。
口八丁
かつての映画は、活動弁士により命を吹き込まれ、人々を楽しませていた。その頃のことはよく知らないけれど、映画ファンとしてリスペクトしたいですね。周防監督らしく、面白いテーマ設定と、それを掘り下げながらしっかりドラマとして仕立てていて、見てて安心感あります。ちょっと時代がかったオーバーさもまた、その時代を忘れさせない演出なのでしょう。クレイジーキャッツばりのドタバタ劇は、久しぶりで楽しめました。若い人向けではないような気もしますが。
それにしても、成田凌。ここ数年映画にドラマに大活躍ですね。似合わない役もあるけれど、それなりにこなしてしまうところは、器用なのでしょう。「スマホを落としただけなのに」「さよならくちびる」「愛がなんだ」などなど、メインキャストで年5-6本は出てる印象。スケジュールどうなってるんだろう?
黒島結菜は、直近で「Sick’s」を見てたので、あ、普通の人間の役だと新鮮でした。若いのでこれから楽しみな女優さんですね。
永瀬正敏、竹野内豊、井上真央はじめ、豪華な役者陣が脇を固め、ベタベタな笑いのパターンをきちんと見せる、抜群の安定感です。派手なところはほとんどないけれど、活動弁士という題材をうまくあしらった、ほっこりした楽しい作品です。
映画愛・活動弁士愛は微笑ましいが、脚本のノイズが気になる作品。
活動弁士指導を担当された坂本頼光先生。
頼光先生の無声映画と「サザザさん」が好きで、先生のSNSで『活動弁士の映画が出来た!活動弁士に光が当たる!!』と大いに宣伝されていたので足を。本人も活動弁士役で出演、且つ指導対象の成田凌さんが見事に若手活動弁士を演じていたのを見て胸が熱くなりました。
頼光先生が、活動弁士にスポットが当たって良かったです。
また主役の成田凌は頑張っている。
その誠実な姿勢に物凄く好感が持てます。
「電柱みたいなヤツだな」と背の高さを話の世界になじませた上で、彼の成長期を、しかもキチンと成長した姿を明確に観ること出来る。その納得感の持たせ方にグッときました。
あと指導役の頼光先生っぽいな、という場面も散見され、芸の継承という片鱗が垣間見えて嬉しくなりました。
で、諸手を挙げて拍手喝采か…というと。
話の流れがガッタガタ。
途中意識がトんでいたのかと錯覚する程に『え、それ、いつやった!?』という下りが度々。
“ご都合主義”的な話の流れがノイズになり都度、現実世界に引き戻されました。
隠れキーマンであった池松壮亮が放った一言、『え、それ、いつやった!?スッゲー大事な部分じゃないの!!?』と度肝を抜かれました。
ダラダラした場面もタルいキツい。
冒頭の幼少期からタルい。
誰が明らかに悪い、という感じではなく、もう、このセクション自体が丸ごと悪い。
ネタ振りなのは分かるけど、分かるけどさぁ。
出鼻を挫かれ、早速に尻が痛くなる。このスタートダッシュ失敗が痛い。
敵役の体がデカい奴と銃バンバンする奴も無駄に長い。
終盤になればなるほどに『もういいよ、それ』と思うことが増えました。
あと竹野内豊。徹頭徹尾、キツかったです。
映画愛・活動弁士愛は微笑ましいが、脚本のノイズが気になる本作。
活動弁士が題材の映画は暫く無い、と思いますので、興味がある方、少し触れてみたい方は鑑賞してみては。
少なくとも成田凌は頑張っている。好感が持てます。
オススメです。
まとまりのある満足感
なんか三谷化を感じる〜〜
まだ、映画がサイレント、
音がなくて映像だけだった活動写真に
音楽をつける楽士と、物語を語る弁士がいた時代のお話。
活動弁士たちが物語を語るサイレント映画は
この映画のためのオリジナルで
あれ?観たことある!
あれは朝ドラの〜〜とか
監督の奥さんの〜〜とか
以前に主演した〜〜よね、とか
見覚えのある人たちもチラホラ〜〜
周防作品の常連俳優、竹中直人や渡辺りえも
いい味出してて兎に角気楽に楽しめる作品です。
で、月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとしては
活動弁士を演じた三人、
成田凌、永瀬正敏、高良健吾のお三方は
随分訓練したらしく、かなり堂に入った演技でした。
特に主演の成田凌はテレビでは少々ウジウジした
今時の青年を演じることが多い役者さんですが
今作ではかなり声を張った演技で堂々としてました。
ただ、周防監督の出世作
「Shall we ダンス?」や「ファンシーダンス」等の
センスの良いニヤニヤ感が大好きな私的には、
今作はちょっとドタバタが無駄に多い気がする。
高良健吾と成田凌のタンスの引き出しを挟んだあれや
まるで銭形のとっつぁんの様な直情型の竹之内豊とか
楽しいけど結構ドタバタ〜〜しつこい!
そのほか、多数の有名俳優がカメオ的に出てきて
ちょこと馬鹿な演技を挟んでくるこのこの感じは、
そう、まるで三谷幸喜作品みたい!
編集は周防監督ではないそうですが
もうちょっと思い切りよくカットして
整理して欲しかったな〜〜
@お勧めの鑑賞方法は?
映画愛の塊の様な映画です。
映画館で見て欲しいけど、途中で止めたり戻したり
サイレント映画の部分の俳優さんをチェックできる
配信やDVDも楽しいと思う。
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