カツベン!のレビュー・感想・評価
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カツベン!を観て
成田凌がすごい
昭和通り越して大正演出
忘れ去られた時代の牧歌的ドタバタ劇
紛うことなき映画の世界を堪能あれ
まさかここまでとは・・。
子ども時代の描写が出だし、期せずして映画に出演してしまう、というのは抜群と思うが描写が鈍重でまずここで乗れない。基本はコメディにはずだが泥棒に加担してしまう枷が重く乗れない。が中盤成田凌が活弁士としての巧さを発揮するあたりは好調で俄然面白くなる。ドロドロした足の引っ張り合いではなく活弁で勝負、という話の方がシンプルで面白かったのではないだろうか。おそらくここが一番問題なのだがクライマックス部分の整理がうまくできてなくてテンポも悪い。登場人物が皆頭が悪いというのはどうなのか。本来一番面白くないといけない最後の活弁が全く面白くないのでは話が成立しない。成田凌も黒島結菜ら若手や高良健吾の嫌らしい悪役ぶり、井上真央の意外なワルもいいのだがベテラン陣の助演は上手く使われていない。音尾琢真の憎らしいだけの敵役もどうなのか。ああしたらならこうなら、と思わせる展開なのは厳しい。周防作品でこんな感想を書かないといけないとは思わなかった。面白くなる要素がいっぱいあると思うのだが結果的にはそうはならなかった残念作。
面白い!
日本の映画の歴史において
本当のサイレント時代は無かった!
っちゅー最後の文章に驚きました!
活弁士が生まれた歴史も知りたいなぁと興味を持ちつつ、ストーリー中に流れる映画に登場する有名俳優達を探すのも楽しかったです!
やっぱり草刈民代!(笑)
オマージュの宝庫!?
はっきりしているのは『ニュー・シネマ・パラダイス』へのオマージュ。他にもたぶん「わかるひとにはわかる」要素がたくさん散りばめられているのだと思われ。
チャップリンやキートンのドタバタ喜劇の雰囲気もある(特にタンスのくだり!)。
劇中の映画の中に、シャーロット・ケイト・フォックス、 草刈民代、田中要次(?)なんかが出演しているのも面白い。ちなみに『火車お千』のお千役って誰?
主人公役の成田凌はいつも同じ表情をしている感じだし、ヒロインの黒島結菜は童顔なのが今回はデメリットになっているかも(でも劇中のモノクロ映画の中の黒島結菜はものすごく綺麗)。
脇を固める俳優陣はそうそうたる面々。しかし竹中直人はやりすぎの感がある(脚本が悪いのかも)。
冒頭から中盤にかけてはテンポがもたもたしているが、物語が動き出すと(井上真央が出てくるあたりから)観客をぐいぐい引っ張っていく。主人公二人の恋が実るかどうか最後まで気を持たせるけど、「あー、そうきたか」ってエンディングでした。
映画の歴史を再認識
サイレント映画の魅力が...
登場人物たちドタバタした動きもこの映画で描かれているサイレント映画のオマージュではあるんだろうなとは思いながら見ていたけど、どこか古い笑いの取り方が滑り倒しのコメディに見えてしまった。ルパンの銭形のような竹野内が泥棒たちを追いかけるストーリーが熱くなりすぎて、活動弁士やサイレント映画に対するリスペクトが寒い方向に行ってしまっていた気がして見ているのがつらかった。
なれるー✨
活動写真愛は感じつつ
周防さんらしいコメディと、映画愛が詰まった作品でありました。
が、映画の無賃鑑賞に、万引き、盗んだ金の着服を多少美化した部分があり、そこに引っかかりを覚えてしまった私でした。
あと、ずっと同じネタを引っ張るので、途中で飽きるところも。
全体の尺を20分くらい切ると、ちょうどいいと思いました。
こんな映画作ってくれて感謝しかない
うっそだよ…こんな年の瀬に、こんなキングみたいなモンスター映画があるわけ…あったよーーーー!!!!!感無量ですレベルの面白さ!!周防!周防!す・お・う!とか言っちゃいそな興奮と共に映画館を後にする、嬉しさと観終わってしまった寂しさよ…。
ストーリーも、キャラクターも、テーマも、雰囲気も、音楽も、人間も、構成も、何もかも◎です。最高に面白かった。
元々、漫画家の話を描いた漫画とか、映画製作の話をテーマにした映画とか大好きな私的には好みの内容ではあるだろう、と思っていたけど、自分の好みだの好きな俳優だの一旦置いといても、これは本っ当に良く出来てる映画作品でした。周防監督作品て毎回面白いけど、どの映画も竹中直人とかの名物キャラクター的な良き既視感はあれど、全て新しいぜ!
活動弁士。サイレントムービーの時代には私は生きていないし、無声映画の横に立ち観客たちへナレーションと登場人物たちの声をお届けする活動弁士という人が居たこともかじりの知識程度にしか知らなかったけど、想像以上の仕事をする素晴らしいエンターテイナーだった。
そんなただ演技をするだけではないめちゃくちゃ難しい活動弁士として活躍する青年役をようやったよ成田凌さんよ…!全俳優陣がやりたかったであろう嫉妬するであろう役どころ。
2015年、「飛べないコトリとメリーゴーランド」を観た時は、顔と雰囲気くっそカッコいいな何この人?なに?最近有りがちなモデル上がりの若手俳優?友達にLINEしよ…と完全に見た目だけで判断していた下心女の私も、もう目まぐるしい成長とレベルアップにお手上げです。
今年だけで「チワワちゃん」「飛んで埼玉」「愛がなんだ」「さよならくちびる」「人間失格」に出ててたまたま全部観てたけど、今年公開のそれらを時系列順に思い出したとしても、そこからの「カツベン!」の演技…鳥肌が立つぐらいの俳優としての力の増加よ…。凄いねぇ。
この映画に出てくる人達、成田凌も成田凌史上最高の成田凌を叩き出してるんだけど、主人公以外の豪華キャストも、豪華なキャストをただ名前だけ欲しかったんじゃなくそれぞれの持ち味とか持ってる力を引き出す周防監督はじめスタッフの皆さんに大拍手ですわ。
脚本、ストーリーもぜんぶ良かった。子供の頃の記憶、大きくなってからの暮らしや夢、活動弁士という職の奥行きや素晴らしさ、昔の初恋の人との再会、危ない仕事に手を出してしまってた過去への反省と償い、悪者と主人公側のドタバタ、それぞれの登場人物がとった行動によりあっちやこっちやとんでもないことになっていくけどそれが面白い形で回収されてクライマックスへとドキドキしながら進んでいく展開。そんな仕事や犯罪や恋がわーっ!てなっていく様子を、随時展開されていく活動写真(無声映画)のストーリーともたまに重なる部分があり、そのせいで余計に笑ったりキュンキュンしたり泣いたりが止まらなくなる、世界観に引き込まれていく場内の観客の空気よ…。(この感じはドラマ「タイガー&ドラゴン」で、毎回ある落語と共にその落語とどこか似ているストーリー展開をしていく様と似ていてすごく好きなポイント!!)。ラストのシーンがまた、最高だし、なんなんあれ凄ー!!!!脱帽。
そして周防監督と言えばの竹中直人と渡辺えりのコメディアン&コメディエンヌっぷりや、こまごまとした笑い!!そしてその笑いも伏線となって回収されていくなんて…完敗や!
"笑いあり涙あり"って言葉がぴったりくるし、何よりも日本映画界が誇る名作映画がまた増えた事への喜びがジワジワくる!
映画好きな人にもそうじゃない人にも勧めざるを得ない映画ですね。周防監督作品だーい好き!!!当分監督のいる方向へ足向けて寝られんわい。
みんな楽しそう
周防版ニュー・シネマ・パラダイス
公開日翌日に観ました。
「シコふんじゃった。」や「Shall we ダンス?」は好きだけど、周防フリークではないので、正直あまり期待していませんでした。
ですが、予想以上に楽しく、映画が終わっちゃうのが残念なくらい、ずっと観ていたい作品でした。
感想を以下の4点に分けて書きます。
1. 映画についての映画
2. 黒島結菜の輝き
3. 成田凌のカツベン
4. 周防組の活躍
1. 映画についての映画
主人公の俊太郎(成田凌)は、タイトル通り活弁士。
騙されて窃盗団の片棒を担がされるも、活弁士で人を楽しませることに貪欲。
偶然手にした大金にもあまり興味を示さず、苦境の映画小屋に就職。
実力も試されず、雑用係に甘んじても、映画感を楽しみ、腐らない。
代役で活弁するチャンスを得ると、実力を発揮し人気者に。
個人的に好きだったのは、何度も観ている活動写真のはずなのに、俊太郎の活弁に涙する館主(竹中直人)と映写技師(成河)。
日々映画に触れていても、決して不感症にならず、活弁士の語りに惹き込まれる。
映写技師が編集の切れ端を、宝物と嬉々として語る姿も、映画愛に溢れてる。
映画に関する映画は、映画人にも響きやすい。
「Nuovo Cinema Paradiso (ニュー・シネマ・パラダイス)」も「The Artist (アーティスト)」も、アカデミー賞で評価された。
自分も、映画愛に溢れた時間を、堪能しました。
2. 黒島結菜の輝き
自分も男なんで、初恋の想い出は美しく、再会するヒロインも美しくあってほしい。
その意味で、梅子の少女時代を演じた藤田りんかは完璧。
今後の活躍が楽しみ。
成長した梅子を演じた黒島結菜も、キラッキラッでした。
彼女を最初に観た「アオイホノオ」の津田ヒロミでは、あまりの可憐さにキュンキュンでした。
「ごめんね青春!」で転校しちゃう中井貴子も、「一番電車が走った」の運転少女も、「いだてん」のおてんば富江も、めっちゃ良かった。
何より「アシガール」の熱血ヒロインには打たれました。
とんでも何ちゃってSFだけど、ヒロインの
と、単なるファン目線かもしれませんが、本作の黒島結菜さんも、理想的なヒロインでした。
3. 成田凌のカツベン
男なんで、成田さんにはあまり思い入れがありません。
何なら、まことしやかな女性遍歴の噂に、嫉妬してたりします。
ただ、そんな雑念とは無関係に、本作での活弁には聴き応えがありました。
本職の方のパフォーマンスにあまり触れたことがないので、相対的な評価はできないけど、活動映画好きの新人活弁士の到達点としては十分リアリティを感じました。
彼の活弁力があってこその作品。
周防監督が褒めているとおり、大役を十二分に果たしていました。
4. 周防組の活躍
一連の周防コメディには欠かせない面々の活躍も、嬉しかったです。
館主夫婦は「Shall we ダンス?」でもパートナーだった、竹中直人と渡辺えり。
竹中さんは、いつも程やり過ぎていなかったけど、「月夜の蟹」リスナーとしては、元気な姿を観られるだけで嬉しいです。
野田MAP「Q:A Night At The Kabuki」の二役変化ぶりも圧巻でした。
えりさんは、登場時間こそ控えめでしたが、終盤の大立ち回りが愉しい。
徳井優さんのダメっぷりも好演でした。
それ以外にも、脇役の豪華キャストぶりに、周防作品の人気を伺えました。
と、周防フリークでないと言いながら、やっぱ周防喜劇のファンみたいです。
寡作の監督ですが、社会派の作品もいいけど、やっぱまた青春コメディが観たいです。
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