劇場公開日 2019年12月13日

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「映画愛・活動弁士愛は微笑ましいが、脚本のノイズが気になる作品。」カツベン! Opportunity Costさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0映画愛・活動弁士愛は微笑ましいが、脚本のノイズが気になる作品。

2020年1月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

難しい

活動弁士指導を担当された坂本頼光先生。
頼光先生の無声映画と「サザザさん」が好きで、先生のSNSで『活動弁士の映画が出来た!活動弁士に光が当たる!!』と大いに宣伝されていたので足を。本人も活動弁士役で出演、且つ指導対象の成田凌さんが見事に若手活動弁士を演じていたのを見て胸が熱くなりました。
頼光先生が、活動弁士にスポットが当たって良かったです。

また主役の成田凌は頑張っている。
その誠実な姿勢に物凄く好感が持てます。
「電柱みたいなヤツだな」と背の高さを話の世界になじませた上で、彼の成長期を、しかもキチンと成長した姿を明確に観ること出来る。その納得感の持たせ方にグッときました。
あと指導役の頼光先生っぽいな、という場面も散見され、芸の継承という片鱗が垣間見えて嬉しくなりました。

で、諸手を挙げて拍手喝采か…というと。
話の流れがガッタガタ。
途中意識がトんでいたのかと錯覚する程に『え、それ、いつやった!?』という下りが度々。
“ご都合主義”的な話の流れがノイズになり都度、現実世界に引き戻されました。
隠れキーマンであった池松壮亮が放った一言、『え、それ、いつやった!?スッゲー大事な部分じゃないの!!?』と度肝を抜かれました。

ダラダラした場面もタルいキツい。
冒頭の幼少期からタルい。
誰が明らかに悪い、という感じではなく、もう、このセクション自体が丸ごと悪い。
ネタ振りなのは分かるけど、分かるけどさぁ。
出鼻を挫かれ、早速に尻が痛くなる。このスタートダッシュ失敗が痛い。
敵役の体がデカい奴と銃バンバンする奴も無駄に長い。
終盤になればなるほどに『もういいよ、それ』と思うことが増えました。
あと竹野内豊。徹頭徹尾、キツかったです。

映画愛・活動弁士愛は微笑ましいが、脚本のノイズが気になる本作。
活動弁士が題材の映画は暫く無い、と思いますので、興味がある方、少し触れてみたい方は鑑賞してみては。
少なくとも成田凌は頑張っている。好感が持てます。
オススメです。

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Opportunity Cost