「「人生にも続編があってもえぇ」」カツベン! いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
「人生にも続編があってもえぇ」
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周防監督らしい小気味よいウィットさと、程よいビター感、飛ばし過ぎない程度のスピード、悲しさも薄めで、今の映画界での適正作品としての位置を担っている内容となっている。ストーリー展開も突拍子もなく、“活動弁士”という映画史をフィーチャーする優等生振りであり、キャストとして一番の注目株の男優、実力をつけてきた俳優陣、いつもの周防組に欠かせない人達と、バランスも又絶妙である。“安心・安全”というキャッチフレーズをそのまま貼り付けたい程である。正統な伏線と回収、破綻の無さと、義理人情という日本人が大好きな“レガシー”をベースに、そして因果応報をきっちり落とし込み、逃げ得やピカレスクを許さない質実剛健な脚本演出は、まるで“寅さん”作品そのものであろう。観客の大部分を占める団塊世代の生活に余裕のあるおじさんおばさん達には無理なく鑑賞できる内容である。
まぁ、スクリーンじゃなくても、近いうちにテレビでも観られるだろうと容易に予想できると思えば、貴重性は皆無だが…。
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