「周防作品としては期待外れ」カツベン! 山の手ロックさんの映画レビュー(感想・評価)
周防作品としては期待外れ
日本映画のサイレント時代を彩った活動弁士にあこがれる主人公をめぐるコメディ。
劇中で使用されるサイレント映画は全て新しく作ったもので、手が込んでいるが、肝心の本編の方は、演出、脚本ともにおおざっぱで、周防正行作品としては期待外れな感じ。箪笥の引き出しのやりとりは、サイレント映画風で、唯一笑えたシーン。
成田凌は頑張っていたし、役者は揃っているが、それぞれの見せ場は乏しい。映画史を描く今年の作品では、「ワンハリ」があるが、タランティーノの痛切な思いが感じられたのと比べると、実体験からではないせいか、教科書的な描き方にとどまっていたのが残念。
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