「戦争は何も解決しないし、何も生み出さない。」荒野の誓い はるさんの映画レビュー(感想・評価)
戦争は何も解決しないし、何も生み出さない。
銃と病原菌と鉄で欧州人はアメリカの先住民を放逐した。
そして先住民の反撃は途方もなく残虐で過酷だったのだろう。そんな戦争の最前線で戦いを続けてきた騎兵隊大尉の退官間際の話。兵隊の仕事は敵を殺すこと。当たり前の話だ。しかし、殺し方にトラウマを抱えて苦しみながら生きていく方法が見つけられず死に時を探している。おまけに、時代の変遷期。個人の思考も変換せざるを得なくなる。果たして、彼は生き方を変えることができるか?
この映画のラストシーンは見事だ。
どんな人間もいかに多くの経験をし、その経験を積みあげても、それで自分を肯定したり、満足することなどできやしない。現在ある状態のなかで、自分の望ましい生き方をし、そのなかに意義をみいだしてゆく、そういうほかに生き方はない。
そんなことを教えてくれる映画だった。
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