「西部劇に興味のない人にこそ観てほしい」荒野の誓い osanさんの映画レビュー(感想・評価)
西部劇に興味のない人にこそ観てほしい
観終わって一週間以上が経過しているが、未だに思い起こしてしまう。西部劇ファンの私だが、ここまで心に深く突き刺さる作品は珍しい。西部劇史上に残るべき傑作。
設定・カメラワークなどは古き良き西部劇を踏襲している。ジョンフォードを彷彿とさせる。しかし、テーマとその扱い方は現代的だ。そしてアメリカという国家の成り立ちに深く切り込んでいる。
とはいえ、なかなかシビアなテーマに切り込んでいるが、表現方法・演出はとても内省的。登場人物一人ひとりの心が閉じられていて、寡黙で抑制された演出が、観る者に「理解」ではなく「共感」を促す。
マサノブ・タカヤナギの映像は見事だ。美しさがあるのは勿論だが、感情を映像が代替している。
クリスチャンベイルとロザムンドパイクの演技は素晴らしい。
他の方のレビューにあるように、邦題のせいか西部劇ファンは集まるが、西部劇ファンしか集まらないのは非常に残念。西部劇には興味のない映画ファンにこそ観てほしい。そう思える作品。
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