「豪華絢爛、高潔無比、英姿颯爽!」パドマーワト 女神の誕生 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
豪華絢爛、高潔無比、英姿颯爽!
冒頭でいろんな説明がある通り、ヒンズー教徒に対する侮蔑的な描写があるんじゃないかと、公開前に暴動が起きるほど物議を醸していた作品のようだ。明らかに悪の部族はイスラム教国側なのに、それでも高潔さ以外の描写が問題視されていたらしい。が、観終えると、上品で優雅なパドマーワティの心の美しさには一点の曇りもないと感じたし、これは伝説になるわなぁと素直に感じた。ただ、日本人からすれば沖縄戦の悲劇までをも想起させられるところが、ちょっと問題かもしれません。
とにかく大迫力の映像体験。圧倒されっぱなしの164分でした。正義と悪を決めつけることは互いの立ち位置で違うものなんだろうけど、純愛を貫いているラタン・シンと天衣無縫のパドマーワティはやはり肩入れしたくなる王族。一方の“第二のアレクサンダー”とも称されるアラウッディーンは叔父を暗殺しスルタンの座に就く。しかも結婚式当日に他の女とセックスしているという、相当なチャラ男なのだ。
一人の王妃をめぐって眼中にもなかったメーワール国を攻め入ろうとする悪のアラウッディーン。しかも、噂だけで行動しているところが痛い男。潔く一人で入城する場面もあるのだが、さらに上を行く高潔なラタン・シンに嫉妬したに違いない。怜悧狡猾な男にたいしても慈悲を感じたのか、ラタン・シンは丸腰の相手を殺さない。さらに彼は卑怯な手段で拉致されるが、そこでも彼の影響で王国のみなが潔癖さを保っていたようだ。
終盤の侵略戦争には圧倒的な戦力差により覚悟を決めたパドマーワティ。もう涙が止まらない。しかも赤で統一された衣装が眩しく、スクリーンに吸い込まれそうになるほど。正義は勝つ・・・のじゃなくて、悪は絶対に勝てない。天網恢々なのだ。
ずっとパドマーワティの鼻輪と涙目が気になってしまいましたが、最初からこうなることを予測してたかのような彼女。やっぱり女神降臨だったのかも・・・とにかく言葉にできない美しさを多くの方に大スクリーンで体験してもらいたい映画でした。
あのウルウル目も男性陣の肉体美を強調する為のギラギラ肌なんかも、デジタル処理をしてるんじゃないかと思いました!
と、これはネタバレにした方が良くないですか?w