ディヴァイン・ディーバのレビュー・感想・評価
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「マイ・ウェイ」自分の道を生きることの尊さ
素晴らしい視点を持った作品だと思う。軍事独裁政権下のブラジルの社会を生きたドラァグクイーンのドキュメンタリーだが、彼女/彼たちの人生を通して、当時の自由のない社会に人がいかに立ち向かったのかを蘇らせ、ブラジル社会がいかに自由を勝ち取っていったのかが見えてくる。
性の多様性への理解の促進は現代社会で重要視されるようになったが、激しい抑圧のあった時代に彼女/彼たちのように熱く生きた人がいたのだ。それを知るだけでも貴重であるが、いかに権力が規範を用いて人の自由を統制したがるのか、この映画を観るとよくわかる。
この映画のもう一つのポイントは、昨今はLGBTという新たな言葉が浸透しつつあるが、性とは簡単にカテゴライズできるものではないということだ。映画に登場するディーバたちの性のあり方も一様ではない。彼女/彼らを一つの性でくくることはできない。
「マイウェイ」を歌うシーンが印象的だ。自分の道を行くということが大事なのだ
ドラァグクイーンにはドラマがある
ドラァグクイーンの話が大好き。いつもドラマがある。彼女たちにもみんなそれぞれのドラマが。普通におばあさんというか年取ったドラァグだなと思ってみてたら、まあ若い頃はみんな輝くように美しい。そしてテレビにも出れるって、軍事政権下を乗り越えたあとはカウンターカルチャーどころか大衆に受け入れられてたようでお国柄ですね。リハでくだらないことで言い合いしてるのも可愛らしい。最後まで良い人生送ってほしいな。
この人たちはたぶん、女になりたいわけではないんだろうと思う。ありの...
この人たちはたぶん、女になりたいわけではないんだろうと思う。ありのままで生きたい。「わたし」のままでいたい。男か女かを考えるのも意味がない。そういうことなんだろうな。
ドラァグクイーン版ブエナビスタソシアルクラブって感じ。
それぞれの昔話がスケールデカくて良い。男性ヌードショーの元祖とか90歳現役ディーバとか、もうなんか、参りました。あと恋人とのエピソードがうっかり泣かせる。
ドラァグクイーンおばあちゃんたちの復活舞台という、どう撮ったっておもしろいに決まってる題材なので、映画自体の力としてはマイナス星半分。
軍政のブラジルに生きたディーバたち
それぞれのディーバたちの、男の写真から目と口がメイクに置き換わり女性になってしまうという導入の作りがとても面白かった。
男と女は話し方や振る舞い方、考え方が違うとされているが、それは社会の多数派が決めつけていることで個人的には人間はもっと多様な性を生きている事わかる。
見た目の男か、女かも大切なことなのだけれど、その奥にあるその人らしさや人間味は、ある意味男女を超えたところにある。
監督の個人的なエピソードが語られているところも、親しみが持てた。
「彼女たち」は、まさにdivineだ!
公式サイトにあるシモーヌ深雪さんのコメントが、まさにドンピシャリ。
「老醜の女装」という、特殊・グロテスクの極みに位置するはずの存在が、あくまでその毒々しさ・禍々しさを失わないままに【普遍化】され、やがて気がつけば、一種の神々しさ(divine)までを纏わんとしている。
自らの人生を語る彼女らの言葉の、なんと豊かで力強いことか!
それはすなわち、その生きた人生の深さ(苦さも辛さも含めて)の証し。
2018年度ベストムービー!
ジャネの夫オタビオが、その長い結婚生活の中での苦労(差別)を語るとき、ウルッと来てしまった(泣)
"彼女たち"のパフォーマンスが素晴らしい!
今年の映画で、もっとも素晴らしい作品のひとつ。
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