劇場公開日 2018年12月1日

  • 予告編を見る

「ロン・パールマンが渋い」セルジオ&セルゲイ 宇宙からハロー! よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0ロン・パールマンが渋い

2019年1月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ソ連の宇宙飛行士セルゲイは宇宙ステーション滞在中にソ連崩壊、国内の混乱から帰還を延期されてしまう。モスクワに留学経験のあるハバナ在住の大学教授セルヒオは趣味のアマチュア無線で偶然セルゲイからの無線を受信、交信を続けるうちに友情を深めるが冷戦終結は2人の祖国を翻弄し、2人はそれぞれ窮地に立たされることになる。ポスタービジュアルが明るくてポップなので勝手にドタバタコメディを想像してましたがコメディ要素はほぼ皆無。祖国が混乱する中で自分ではどうしようもない運命に振り回されながらそれでも現実と向き合って逞しく生きる2人が無線で心を通わせる様を優しく見つめるドラマ。ハバナの街とそこで生きる人達を宇宙ステーションから俯瞰しているかのようなカットが要所要所に挿入されますが、その陽光に照らされた風景がものすごく美しいです。
ただ残念なのはこの物語をセルヒオの娘のモノローグでなぞるという『しあわせのパン』方式を採用していること。『しあわせ〜』ほどのちゃぶ台返しはもちろんありませんが、特に必然性のないアクセントはちょっと余計だったかも。ロン・パールマンの渋い演技も素晴らしかったです。

よね