エンジェル、見えない恋人のレビュー・感想・評価
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不可視な存在の「聖性」を示唆する、美しい恋愛奇譚
原題はMon ange、フランス語で「私の天使」。盲目の少女マドレーヌに恋をした透明の少年エンジェルが主人公。母を除きエンジェルの存在を唯一知るのがマドレーヌで、2人が相思相愛になったのは大変な奇跡だ。
8~9割方カメラが写す映像=エンジェルの視点として構成したのが妙味。主人公は終始写らないので、男性観客なら自分を重ねられるし、女性なら好みのイケメンを想像できる。9月公開の「かごの中の瞳」は盲目の妻が視力を回復したことで夫婦仲に変化が訪れる話だが、本作と見比べるのも一興。見えないことはゼロではなく、相手が理想の像を投影できる点で最強、至上の存在と言える。だから聖なる天使の名が与えられたのだろう。
低予算の割にCGを効果的に使っている。映像も美しい。予告編に使われているが、マドレーヌが幼少から10代に変わるジャンプカットもシンプルだが印象的。プロローグとエピローグの呼応もセンス良し。
透明人間に生まれた男子と、盲目の女子の、純愛物語。 見えないけど、...
思いもよらぬ設定…
雰囲気がかなりよい
まずはこの映画を見る前にボーダー、2つの世界を鑑賞したから余計に今作が面白く感じました。
どうにも、2つの作品にテーマは違えどわりと共通点がありました
音楽の少なさ、人を匂いで嗅ぎ分けたり。
今作が面白いと思えたのはまずは非現実的な部分、登場人物をできる限り排除してるので一つの「物語」として感情移入できました。
そして主人公にとにかく感情移入してしまう
透明人間なのをいかしてとにかく主人公目線でいつのまにか主人公と一体になりました。
そしてとにかく映像の雰囲気が綺麗
エッチなシーンはあります、しかしとても美しく撮ってますなんとも言えないエロスです、伸びる乳首
素晴らしいのは1時間とちょっとの上映時間。
得てして間延びしがちなものを排除してテンポがよい。
終盤、この人達は働かないでどうするんだろう?って見ながら疑問に思いましたが、それもちゃんと答えが笑
なるほどそういうことね
ラストの集合写真、エンドロールまで秀逸。
気になったのはやはりエッチシーン、再開して自分の姿が見えない悲しさがある中、目隠しさせてやるのはちょっと卑怯な気がしましたね
ラブシーン撮りたいのはわかるがそこだけがっかり
こんな詩的なCG、観た事ない!
ちょっと遠くの映画館で上映してたので
行きそびれてしまった映画。
配信で観られて本当に良かった!
なんという詩的で透明で美しい映像〜
欧州映画ならではの、
透ける様な透明感のある肌をした
金髪の少女と
森の木漏れ日の美しさと
透明な少年の恋の始まりが
ああ、ため息が出るほど美しい。
で、透明な存在を意識させるために
うま〜〜くCGと実写が組み合わさって
それが過剰ではなく、とても繊細なので
噓っぽくない〜
これって、アメコミ映画の様な
派手な
爆発シーンを描くより逆に難しいのでは?
外に出られない今、
美しい森の静かな景色など
ヒーリング映画としてもぜひご覧ください。
で、月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとしては
美しい中にも、言ってしまえば
持って生まれたもの、
見方によっては障がいでもあり
特性でもあるものを
これほど、詩的に昇華させてゆくなんて
去年の「パリ、嘘つきな恋」も素敵だった様に
フランス映画には時々こういう名作があるよね〜
さらに、大人になってからの
透明な青年とのなんと官能的なシーン。
ここは、体の奥に火が付きそう〜
「パリ、嘘つきな恋」でも、
ものすごく素敵なラブシーンがある。
ファンタジーと割り切って見るから
美しいのかもしれないけど
それにしても、なんだろう、このフランスの
恋愛への向き合い方の豊かさは〜〜
羨ましい〜〜
@お勧めの鑑賞方法は?
配信しか無理ですけどね〜
タイトルなし
美しい映像と洒落たストーリーを期待して観たのですが
ファンタジーなのにストーリーは現実的で、純愛物語なのにホラーチックな、奇妙な映画でした。
ノスタルジックなワンピース、思春期ののような体つきの女性のヌードなど、いかにもフレンチロリータの系譜と思いきや、ベルギー映画なのですね。
男性鑑賞者なら、女性のありのままのヌードが映し出されるだけで美しいとか芸術的な作品だとか感じるのかもしれませんが、私は女性なのでそう単純ではありません。
また、男の子が透明人間であることを細工やCGで見せていますが、むしろ女性の一人芝居で見せたほうがよかったと思います。小細工のせいで、映画全体が安っぽくなってしまいました。
セリフは終始ささやき声で話されるので、眠気と闘いつつなんとか最後まで観ました。
愛する人しか出てこない映画、あります
斬新なラブストーリー
全盲少女vs透明人間
母ルーズだけは息子エンジェルの姿が見えるのだが、他の人には一切見えない存在。そして、恋する女の子は全盲なのだ。突飛な設定ではあるが、臭覚、聴覚が研ぎ澄まされた少女マドレーヌにとっては見えなくても同じ。街から離れた別荘地であったことも幸いし、仲良く遊ぶところはファンタジーであるとしか言えないのです。
このまま生活するとすれば二人三脚ならぬ二人羽織で何とかやっていける。しかし、マドレーヌが手術を受けることとなり、目が見えるようになったのだ。「ハンサムだと思っていたのに、こんなにも不細工だったなんて・・・」とは絶対にならないのがうれしい(何言ってるかわかりません)。そして目を閉じればまた少年時代と同じように過ごせるはず!キスしたりセックスしたりと、そのシーンも官能的ではなく幻想的。肌の動きで、ここ触ってるんだなぁ~とか、想像するもよし。美しさだけを堪能するもよしである。
ずっと気になってたのは、エンジェルの着衣(ずっと裸?)。昔からある包帯巻いたり、スーツを着たりと、そんなシーンは一切なし。食事のときは、食べ物が食道から胃へと移動して、やがて排泄物になるまで観察できるという、貴重な“生きた人体模型”となるはずです・・・。などとバカなこと考えてたら、ファンタジーファンに怒られそうです。まぁ『インビジブル』のようにならなくてよかったよかった。
センスの良い素敵なファンタジーの佳品。
まぁ
もはや夫は留守でさえ許されず、透明人間にならなくちゃいけないのか。
プロモーションのミスリード半端ない!
お洒落可愛い映画かと思いきや、びっくり!!
男は、夫は、もはや女性を影で支えることも許されず、
姿を隠し透明人間になって、女性を妻を支えなくてはいけないのか。
もちろん愛の形に正解はない。
二人が気持ちを通わせる過程を、繊細でお洒落に美しく描いてあるけど。
母しか感じられない男の子、妻にしか感じられない夫って設定にも
、上に書いた現代男子は透明人間。みたいな皮肉を感じてしまう。
PG12?????
この作品はかなり登場人物が絞られててそれぞれのキャラに対し様々な感情移入がすんなりできて良かった。
登場人物はエンジェル(透明人間)、ヒロインのマドレーヌ(盲目ヒロイン)、母親(精神病棟でエンジェルを産む)の3人である。(まあナースとかは端折ってます)
恐らくではあるがシェイプオブウォーターの様に現代社会とファンタジー要素が混ざってる作品が嫌いな方は絶対好きになれない作品であるが僕はこういった作品がかなり好きなのですぐに映画の世界に引き込まれた。
主人公たちはすごく純粋で自分達の存在を確かめ合っていたが、あることがきっかけでかなり切なくなり涙が出るところもある。本当にラブロマンスの定石を踏んでいるのでかなり観やすい。また、主人公が透明人間なのを生かしてカメラアングルがほぼ主人公の目線なので本当にすぐ感情移入してしまう。
少し疑問なのがなぜこれはPG12なのでしょうか。かなり官能すぎるシーンも多いし、エンドロールまでそのような描写があるのに。
奇妙なテイストのラヴストーリー
奇妙なテイストの恋愛映画と位置付けていいだろう。姿が見えない男の子エンジェルと目の見えない女の子マドレーヌのラヴストーリー。
姿が見えない者と目が見えない者との交流は、声のほか、触れることや匂いに頼ることになる。
ゆえに演出は繊細かつ官能的だ。
また、音の入れ方も鋭敏。
そして目に見えない存在を、映画としてどう表現するか。本作では多くの場面で、カメラがエンジェルの視点となっている。つまり、姿の見えないエンジェルの存在を、カメラがその人になることで表現しているのだ。
そうなると、カメラが写すという行為が焦点化される。
もとより、見えない対象を写しては表現できない。彼が何を見るかで彼の心情を表現しているのがユニーク。
かくして本作は視覚、聴覚、さらに画面越しの触覚や嗅覚に対し、研ぎ澄まされた表現を楽しめる。
ストーリーも、この先どうなるんだろうという興味が尽きない。ラヴストーリーであり、ミステリーであり、そしてファンタジーだ。
主な舞台となっているマドレーヌの住む洋館、家の中の調度品なども美しい。
本作、主人公2人以外の登場人物がほとんどいない。
「現実」を考えると、あれこれ突っ込みたくなるのだけれど(母親といる施設は何?マドレーヌの家族は?などなど)、そもそも透明人間という存在が現実離れしているわけで。
そういう「余計な」要素を切り捨てて、主人公2人の関係という“本質”に極端に絞り込んだ脚本は、本作においては効果的。奇妙な設定ゆえに、2人の恋愛模様をかえって際立たせることにつながっている。
最後のオチは、ああ、あの伏線はここにくるのかという驚きとともに感動を生む。
ムードいっぱいの映画
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