「微妙。その一言に尽きる。」TAXi ダイヤモンド・ミッション デッカードさんの映画レビュー(感想・評価)
微妙。その一言に尽きる。
車のシーンは楽しめたが…
ハッキリ言って全てにおいて中途半端な感じ。
辛うじてカーチェイスシーンは楽しめたが、それ以外が鈍重。一言で言って微妙。
なぜ微妙なのかを、論理的に説明できるまでになるにはあと2回ほど見たいところだけど
2度見るつもりもないので、とりあえず箇条書きで書きます。
・マルセイユ警察の面々が織りなすギャグがことごとく滑っている。いくら笑かせるとしても、あんな阿保ども採用されんだろ。実際に南仏の警察はあんなに阿保ばかりなのか?と思われかねない。
・特に小人の人の小人ギャグ(パーティで踊る小人って何回コミカルでしょう?演出)が、普通に居た堪れなくて笑えない。海外の人なら笑えんのか?
劇中、小人の方は他の面々に比べ、やや活躍をするのだけど、扱いが酷すぎ。「退治したぜ」て、あの後どうなったの?
・マルセイユ警察の面々が特に見せ場もなく終わるので、普通にただの無能にしか見えない。
正確に言えば一応活躍っぽい事はするのだけど、それまでの無能演出をひっくり返すほどの活躍はしない。
デブが使う武器が、体当たりって、それ活躍したことになるのか?とも思うし。
・悪人の悪人感が薄い。
全然悪そうに見えない、というか実際に泥棒なりのシーンを緊迫感を持って見せてくれないと、世間を揺るがす大泥棒感は全く無く、ただのチンピラ程度にしか見えなくて凄くこじんまりした犯罪に見える。
つまりその他の小さな犯罪と同じくらいの規模に思える。
・悪人グループのアジト?の警備が手薄すぎだし、あんな机の上に計画書残すか!
つかダイヤの写真を見て「これが証拠だ」ておかしくないか。金庫とか、計画書とか、地図とか、なんかあるだろ!
・途中、ある人物が犯罪に関わっているのが分かるが、そこの描写があっさりしすぎな気もする。そういう使い方をするなら、序盤でもっとストーリーに食い込ませて来てくれ。意外性もなにも、あ、そういやこいついたな、で終わるわ!
・最大の欠点でもあるが、主役と相棒のバディ感が全くない。一時的な関係とは言え、「エミリアン達は凄かった」て言うなら、いやいや、今回のバディも負けてないぜ、ていう風に思わせてくれよ。
でなきゃ、「エミリアンは凄かった」て発言が、作り手が自ら「過去4作はダニエルコンビだったから凄かったけどね、今回はちょっと笑」て予防線引いてることに思える
・あとたしかパート2でにあった様な、妊婦を護送するとか、人助けでアゲてくれるシーンが無い。
これは設定上、主役がタクシー運転手では無いから仕方ないかも知れないけれど、
例えば犯人を追ってたら途中で病気の人を見つけちゃって、あえなくそっちを護送したとか。そういうシーンを入れて欲しい。
つか入れてくれなければ、ただのスピード狂になっちゃうじゃん。
ダニエルはタクシーを使って人助けしてたから街のヒーローだったんじゃねぇの??
この主役がマルセイユに腰を据える理由が、本当にただ恋人がいるなら。て理由しか無くなっちゃうじゃん。
だったら恋人とパリ行きゃいいだろ!
そこは、マルセイユで人助けをして、街のヒーローとして認められる様になる的な描写をくれよ。
・バディ感を出すのなら、2人の恋人をぜったい絡ませなきゃダメだと思う。
絡ませるってのは、別に顔見知りになるって描写でもいいけど。
映画ではお互いの彼女は別々に描かれる。バディものをやるなら、仕事とか利害関係を超えて公私ともに付き合いがなけりゃ、そこに友情めいたものは生まれないと思うよ。
監督も違うし、俳優も違うからなぁ、何だかなぁ、でもリュックベッソンが脚本に入ってるから大丈夫か。とも思ったけど。
元々ストーリーがあって無い映画をギャグやカーチェイスで面白く見せてたのに、
ギャグが面白く無いから寧ろストーリーの無さが目立ってしまってる。
とまぁ、ボロクソ言ったけど、途中笑ったシーンも幾つかはあった。窓のくだりとかは下らなくて結構好き。
ゲロは1回でいい。2回目は蛇足。
あとブルースブラザーズ的な車が積み上がっていくギャグ。本家は猛スピードの逃走劇だから成り立っているけど、こっちのはまだスピードが出ていないのにただ玉突きしているだけで、いや、止まれるだろ、と思わず突っ込みたくなってしまい笑えない。
最後、「おぉ、この展開は!?この車を改造して!?警察車両に!?」
てのはやらないのかよ。