「ユーモアを覚えたプレデター!?」ザ・プレデター しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
ユーモアを覚えたプレデター!?
Disney+で鑑賞(4K UHD,吹替)。
プレデターの世界にも部族間闘争、あるいは派閥争いが存在していることは前作で初めて言及されたが、本作でもその設定は引き継がれており、地球侵略を企む一派と反対派の抗争に地球人が巻き込まれると云うストーリーが繰り広げられる。
本作のプレデターは地球人のDNAを取り込んで強化された個体と云う設定だ。反対派プレデターを追跡して来たアサシン・プレデターはさらに強化された存在で、戦闘力も圧倒的であった。
狩りの証しとして頭部ごと脊髄を抜き取るのがプレデターの習性だが、実は最強生物の髄液を採取する目的であったと云う新設定が追加されている。正直、なんだか蛇足な印象を受けた。
さらなるグレードアップのために、戦士でもなんでもない天才少年(頭脳面では戦士と言えるのかもしれないが)を連れ去ろうとする行動を取るため、コイツ本当にプレデターなのか、と⋯
狩猟者としてのプレデターの魅力が損なわれてしまったと云うか、狩りや戦闘を通じて戦士としての己を磨くのが彼らの流儀だったはずであり、そこを改変するのは如何なものかと思った。
ユーモア満載で笑えるシーンが多い。プレデターが切断した人の腕を運転席の窓から突き出してグッド・サインを送ると云うシーンが好き。
どうやら、異種交配を経てユーモアを覚えたようである。だがコミカルになった分、本来のホラー感が薄まってしまったようで不満が残る。
総じて面白いが、残念な部分も少なくない。ラストに登場したプレデターキラーが新展開(地球侵略を企むプレデター軍団と人類の全面戦争)を予感させたので一応期待したいと思う。
[余談]
彼らの名称について、プレデターではなくハンターと呼ぶ方が相応しいのではないかと云う問題は、私もかつて考えたことがあるため、笑えた。
*修正(2025/11/10)
