祈りのレビュー・感想・評価
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異教徒との争いの中で人間の尊厳を問う
グルジア(現在のカナ表記はジョージアみたいです)の映画といえば「ピロスマニ 」しか観たことがなく、今作のテンギズ・アブラゼ監督は知りませんでした。グルジアを代表する映画監督だったのですね。
そして、1967年の今作、76年の「希望の樹」、87年の「懺悔」を「祈り3部作」というとのこと。
まず映像がすごい。冒頭から強烈なコントラストのモノクロ映像に圧倒される。時代も国籍も不明で、まったく知らない世界に引き込まれた。
異教徒としてお互いを憎み、殺し合いを続けるキリスト教徒とイスラム教徒。そんな彼らの中にも敵味方を超え、同じ人間として相手を慈しむ者がいたが、同胞に排除された。
まさに集団で行う「悪」に対し寛容であれと祈るが如き深遠なる傑作。
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面白かった
詩を元に作られた映画のようで、序盤で字幕を追うのをほぼ諦めて、映像と音だけに集中したらものすごい没入感だった。出てくる人達の顔力の強さや、違う星に降りたかのような凄まじい風景や建物。音楽の異常なかっこ良さ。吹き替えで見たかった。
反戦への祈り
今まで観たことのない風景をスクリーンで観られることだけでも、岩波ホールに行く価値はある。
宗教を超えた反戦を訴えても、美しきものごと踏みにじられる世界...今でも変わってないなぁ。
テンギズ・アブラゼ監督の祈りは、いつ叶えられるんだろうか...
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