「血の多い、終始ハラハラする映画」V.I.P. 修羅の獣たち 添田一希さんの映画レビュー(感想・評価)
血の多い、終始ハラハラする映画
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北のお偉いさんの息子であるグァンイルは、何人の人を殺してもその権力に守られていたために野放しにされていた。そして証拠をもった韓国の警察は彼を捉えようとするが、国家情報院やCIAがその手を阻む。
少しでも隙を見せると、グァンイルは人を殺し、復讐心や性的欲求を満たす。そのあまりの残忍さに見ているこっちもいち早く彼を仕留めてほしいと願うが、それがなかなか叶わない。そして最後には、個人的な恨みを持っている北朝鮮の工作員に追い詰められて、殺される。彼が殺人を行なってきた内容があまりに残忍なので、銃を三発足、胸、そしてトドメに喉に打たれてもまだ物足りないように感じてしまった。
感想としては、終始緊張感があり、1秒たりとも目を離せない展開で面白かった。隙を見せると、銃を奪って警察官を撃ったり、性的不全であるがために女性の首を絞めて死にゆくその悲鳴に興奮を覚える彼は、女性を襲ったりする。手錠をはめられた彼は時折ニコッとし、早く逮捕してこらしめて欲しいと願うがCIAによりなかなか単純にいかない。誰もが疑わない極悪サイコパスですら、国のトップの息子となるとなかなか捕まらないというのは現実世界でもあるのかもしれない。そうしたことは絶対にあってはならないというメッセージもこの映画には含まれていると思う。また、今まで見た中でもトップ3に入るぐらいグロテスクな描写が多く、見る人によっては抵抗を覚えるかもしれない。けれども、全体としては常に先が読めず、どうなるのかどうなるのかとハラハラドキドキする内容で面白かった。あとグァンイルがイケメンすぎる。
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