「ジメジメと陰湿で目を背けたくなる映画は韓国映画の魅力のひとつなのだろう。」V.I.P. 修羅の獣たち はるさんの映画レビュー(感想・評価)
ジメジメと陰湿で目を背けたくなる映画は韓国映画の魅力のひとつなのだろう。
時には怖いもの見たさを助長する映像は嫌悪したくなる。誰の心の奥底にある密やかで波打つ残忍性はその発露を求めて止むことはない。復讐心は映画を観続けるための大いなる武器だ。
この映画だけに限らず、韓国映画の製作者はその点をよく理解している。やり込められるであろう対象の最後が如何なる結末なのかを知りたくて仕方なくなるのだ。この映画を観ながら幾度となくここで終わるんじゃないだろうな・・・・?と何度も思わせる。そんな手法は見事に完成され、ある種醜悪な感慨に耽ってしまう。観る者の残忍性を呼び込むことほど残酷なことはない。にも拘わらず観たあとのスッキリした気分は、僕も残虐な人間に違いないと思わせられてしまうけれど、こいつよりはマシだろう・・・・なんて、震える心に安堵してしまう。
危うい心を意識している人は観ない方がいいだろう。
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