「人間とは?というテーマに一つの解」レプリカズ REXさんの映画レビュー(感想・評価)
人間とは?というテーマに一つの解
クリックして本文を読む
人間は脳のデータさえあれば人間といえるのか?という長年のSFの命題に、一つの解を提示した話だとは思う。
複製した自分の肉体にダウンロードすれば精神の拒否反応は示さないという至極当たり前の帰結ではあるが、生身(自分)以外のボディに固執していた過去作品も多いので、「永遠の命」というテーマへの定番の選択肢にはなりえる。
しかし中盤、科学者の倫理観の葛藤サスペンスから、悪の組織vs科学者というアクションに転じ、その逃亡劇も単純であっさり。
妙に理解力のある奥さんにはイライラしないものの、ご都合主義展開になんだか拍子抜け。
『チャッピー』『アバター』などの主人公は自分の肉体から別の器に意識をインポートしたわけだが、今回は完全な自分の自我が二体に。その二体は脳がリンクしているわけではないのでその時点で他人といえるわけだが、その辺りの見せ場が少ないのでもっと掘り下げてほしかった気もする。
肉体を複製した家族たちが社会的に不在だった時間の描き方など、少し杜撰な点もチラホラ。
コメントする