「ゾンビ映画だと思えばOK!」レプリカズ kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
ゾンビ映画だと思えばOK!
家族を愛するが故に暴走するマッド・サイエンティストと考えれば、交通事故からクローン人間というところまで妙に納得できる。マッドなんだからしょうがない。会社から莫大な金額のポッドをお借りして、脳死するまでにアルゴリズムに変換して17日間待って出来上がったクローンに移植する。科学者の倫理観なんて事故と同時に捨ててしまったかのようなビル。エドだって何故か忠実すぎる犬のようだ。そんなエドも成功すりゃノーベル賞だ!と、口外できなかったことに気づきぬか喜び。
いつの時代でも、孤独感とか愛だとかいう目的で科学は暴走する。フランケンシュタインだってゾンビだって、科学者たちは自分が神になったつもりで倫理観を失っていくものだ。現代では科学も発達し、いくらでもクローンは作れそうだが、日本では法律によって縛られているし、世界各国でもヒトのクローンは禁止されつつある。将来的には“人を殺してはいけない”と同様に“人を作ってはいけない”とか道徳の授業で教えられるのかもしれません。ま、とにかくアメリカではまだ法整備されてないようなので、やっぱり出てきました。軍事利用のために作られた研究所なのだと・・・。
キアヌ・リーブスはそうした役をさらりと演じているのですが、家族を失った悲しみにくれる男はなぜか『ジョン・ウィック』よりも抑えてる気がした。コンピュータを操る姿はかっこいいし、『マトリックス』の彼に戻ったかのようでした。そんな主人公は誤った選択をいっぱいやらかしてしまいましたが、最大の過ちはラストでしょう。ジョーンズ(ジョン・オーティス)はもう死んだのだから、あとは345さんに任せて家族で逃げればいいのに。律儀というか、おバカなのか、クローン技術を軍に渡してしまったようなもの。まぁ、単なる金儲けならいいんですが・・・。
そんでもって、あの事故った車はどうなったんだろ?バッテリーより重大だと思うが、川に沈んでしまったのかな?
kossykossy様。お久しぶりです。
予告編から、もっと複製された家族との混乱が描かれてるのでは、とか、会社側との激しい対立を期待してしまったので、なんか落ち着いてる(控えめ)という印象でした。マッドサイエンティストですが根本が人間くさいというのは魅力的なキャラだとは思うのですが。
科学の暴走。どんな頭のいい人だって、人間は心で動かされるのですね。