「まぁPG-12だし、きつい表現は覚悟してたが…」アリータ バトル・エンジェル 虹孔雀さんの映画レビュー(感想・評価)
まぁPG-12だし、きつい表現は覚悟してたが…
映画としては楽しめたし、アクションシーンもリアルでカッコいいなと思う。
ただアリータという存在に、もう一段人間味を持たせて欲しかった。
殺戮に対して、何ら躊躇を求めず、葛藤もなく、まっすぐに正しいと思うことを実行する。
確かに、記憶を失ったサイボーグという描写は、実際はそうなんだろうなと思うとこもあるのだが、やはりここまで残酷なシーンを入れるのもどうかなと思う。
プレデターとかなら分かります。
腕が切れる、首が飛ぶ、隣で血潮が吹き荒れる。こんな描写が沢山あって、むしろその激しさにスカッとする人も多かろう思う。
でも、このアリータは出だしがかわいいなって思えたからこそ、そこまで残虐にならないで欲しかったという願いがあったなぁと。
絶対的な悪が支配する世の中において、すべての抵抗が無に帰される世界においては、アリータという存在は救世主的でもあるし、ある意味で我々の生きている世界の圧迫感を吹き飛ばす痛快さにも似た感覚を、同一感覚で与えてくれていたようにも思える。
そういう意味では、非現実的な世界観の中で、自分の生きる世界に、あのようなバトルエンジェルが現れてくれたらなぁみたいな願望が心を掴むワンポイントにもなっているかとも思う。
とにかく楽しめるとは思います。
けれども、すべてを力で解決するって方向に若い人たちが憧れや、爽快感を覚えるような作品として独り歩きしてほしくないなという願いも一部あり。
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