「マンガ実写化の、ひとつの極地」アリータ バトル・エンジェル Debio Hazardさんの映画レビュー(感想・評価)
マンガ実写化の、ひとつの極地
SFの巨匠「タイタニック」「アバター」「ターミネーター」のジェームズ・キャメロンが製作・脚本、
アクションに定評ある「マチェーテ」のロバート・ロドリゲスが監督という豪華なラインナップで、日本の90年代から続くSFマンガ「銃夢」をようやく実写化した作品。
この話自体は既に、昔からキャメロンが原作ファンでぜひ実写化したいという流れだったが、多忙の為流れに流れて、ようやくお披露目といった経緯があった。
いちファンとしても非常に待ち遠しかった限りです。
内容はとにかく「きちんとツボをつかんで2時間内に収めたんだな」と思わせてくれた。
尺短縮の都合上、どうしても「削るものを何にするか」絞らなきゃいけないワケだが、物語の核を「アリータとイド」「アリータとヒューゴ」の物語の2点に絞って、この3キャラに感情移入できるポイントを振り分けたのが、非常に分かりやすかったと思う。
他のキャラの掘り下げの浅さに関しては「尺の問題」と「次回作へ生かせるように余韻を残した」とも解釈できるかな。
とにかく原作より「イドに感情移入できるポイントが増えてる」のは、非常に大きいと思う。
ただ表面をなぞってるだけの、実写化ではないのはさすが巨匠キャメロンというべきだろう。
映像・音楽に関しては文句なし。
ザレム・アイアンシティ・モーターボールetc・・・
目のデカさも「この世界における異物感」と取るなら、そこから感情移入するまでの振り幅とも取れるし、一旦感情移入してしまえば「目は口ほどにものを言う」パーツとして十分機能するんじゃないかな、と。
1点、欠点を挙げるなら「ちょっと感情あおる音楽が、トランスフォーマー並にくどく感じる」箇所はあるかも知れない。
ここは好みだとは思うが。
とにかく、巨匠らによる実写化作品のひとつの極み、を見せて頂いた。