「期待値があまりにも高すぎた(修正版)」ラブライブ!サンシャイン!!The School Idol Movie Over the Rainbow Geso_de_Nyoroさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5期待値があまりにも高すぎた(修正版)

2019年1月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

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 1作目劇場版の28億という興収にも、当時は紅白出場などファン内外で話題になった人気コンテンツの2作目。紅白は姉貴分にならい今回も出場を果たし公開前のPRにはこれ以上ないお膳立てで、否応なしに膨れ上がった期待値は破裂寸前に。さて今作は何が飛び出すのか‥‥。

 この作品の見所は『キャラの可愛さ』『楽曲の楽しさ』の2大柱でストーリーでソレを引き立てる訳ですが、今作はそこに幾つか馴染みにくい『穴』が見受けられ舵取りを手こずった感が否めません。柱さえ強固ならストーリーは二の次では決してなく、そう言う意図に則ってシッカリ練り上げるべきで、残念ながらその結果が期待に反し平凡に収まった、という感じです。
 脚本の花田氏は数々のヒット作の脚本を手がけ、当シリーズも1作目から関わっておられますが、今作においては随所に疑問が浮かびます。100分という尺も不可解で大人の事情でもあったのでしょうか、9人の魅力を盛るには短い?と思われます。
 ですがソレら、今作に限った事ではなく前作 μ’s だって似た様なものでした。では何が違ったか、恐らく上記2大柱を鞏固に引き立てるアイデア不足が災いし、進化しきれなかったからと思いました。難しいのは重々承知ですが、かと言って前回並みではあまり評価されないかなと。ファンも感覚が進化していますし。
 前作やTVからの進化は唯一、CGや絵面の綺麗さが印象に残るのみでした。

 鑑賞しイササカ平凡な印象を受けたファンが当初の高い期待値を凌駕できずソレが不満に変わり、その理由を粗探ししてしまった、と言う経緯が伺えます。
 その逆に面白ければ、満足すればそれらは全て些末な事と納得してもらえるのです。ファンや観客ってのは手のひら返しの我儘な存在ですが、興行ビジネスである以上顧客に背を向ける訳には行きません。そもそもファンは作品に魅了されて支えてくれる作品愛を示している存在です。その期待に些か届かなかったのは残念ですが。

 言うは易しで創り手には相当厳しい環境でしたでしょう、μ's が28億もの数字を叩き出し、Aqours もソレに続いてココまで来ました。そんな重圧を受けて制作者一同皆ストレス満載で諸々窮屈だったのでは?と個人的には察します。
 仕上がった作品は〝伸び〟や〝余韻〟が足りないと感じました。難なら楽しければいい、面白おかしくしちゃおうぜ!的に開き直っても良かったのではないでしょうか。計策にハマりそれが結果的にストーリーも楽曲も平凡にしてしまった可能性も妄想できます。
 肉付けにアレもコレもと欲張ると重心がブレてとっ散らかると懸念したのでしょうか? ファンの数だけ好みがある様に、一方に力点を注ぐとソコにツボがないファンが不満を示しかねないので、或いは八方美人の幕の内弁当でも良かったかも知れません。その意味でも100分は短いと思うのです。

 最後に、個人的に楽曲が悪くはないけど平凡の域を出ませんでした。『青空JH』『ハピトレ』などの様にキャッチーでも伸びのある、パァー!と広がる曲の方が劇場映えすると思うし、何度も聞いて味わうスルメ曲じゃなく1回聞いたらサビが耳にこびり付く印象曲を創るべきかと思います。
 そんな強い印象曲を何故『SS』に当てたのかも謎。伝説の山田たえ宜しく主役を喰いかけてしまう程に感じたのは私だけでしょうか。

 3回目を鑑賞して細部の補完や理解が行き届いてきたせいか、1回目よりは印象は良く感じました。が、こんな鑑賞の仕方は普通ではないので1回目でこの印象が得られれば良かったのになと思います。

Geso_de_Nyoro
Geso_de_Nyoroさんのコメント
2019年1月9日

コメントありがとうございます。
自分も2回鑑賞してこのインプレッションを掲載しました。実は後3回鑑賞ノルマがあり(理由はお察しのとおりですw)、鑑賞回数重ねると細部の脳内補完がまとまって違う見え方になるかも知れません。とは言え2回目鑑賞時も序盤でまぶたが半開きになる事数回あり、出だしの観客を引っ張る力もいささか弱い事の裏付けなのかも‥‥。
今後、チネチッタやイオン幕張新都心などの音自慢の劇場で上映される事を期待してるのですが、1月は上映ラッシュな事もあり失速されると割当ててもらえないので、踏ん張ってもらいたいと一方で願っていたりしますw

Geso_de_Nyoro
audioputer2000さんのコメント
2019年1月8日

コメント、拝見させていただきました。
自身なぜか開始1分で涙流しながらアニメをリフレインしちゃうくらい見入ってはいたのですが(笑)、前作映画のことも頭に置いての鑑賞だったため、ストーリー展開の速さは前作同様についていけるか微妙に思いつつの鑑賞でした。
結論を言えば確かに、アニメを数回見た上で見るのであれば色々な演出に気がつけると思います。しかし、誘われて見るといった方にはPVは別としてもやはりお粗末な印象を受ける気もしなくはないかなと思いました。
前作の感覚からそれほど期待値を上げてなかったため、自分にとっては満足な作品でしたが、細かいところが気になる方はなってしまうのかなと言うのが少しわかった気がします。ただ、自分も今回のように粗探ししちゃうのも面白くないので次回行くときはただただ純粋に見てもいいかなと思いました(笑)

audioputer2000
Geso_de_Nyoroさんのコメント
2019年1月8日

コメントありがとうございます。
人気を獲得しコンテンツが盛り上がると、そこに色々な収益の目論見を立ててくる諸々の存在は、これら全てがビジネスである以上仕方ない事でしょう。ですが我々ファン達が一番嫌うのが利益のために掻き回す存在と、それにより理が曲がる事なのは間違いなく、制作陣や関係各位には重々留意して欲しいものです。
もし政治的な交渉で、やむにやまれぬ結果のこの仕上がりなら、よく堪えてくれたと言えると思えます。当然ですがコンテンツを潰すのがコンテンツ関係者であってはなりません。

Geso_de_Nyoro
やっぱμ'sが好きさんのコメント
2019年1月8日

Aqoursには大人の事情ありますからね〜苦笑
運営が好きに出来たμ'sの頃と違い事務所の力や希望も強く演出家さんも大変でしょう。SSの枠が大きく取られる様になったのも多分似た様な理由ではないかと邪推しております笑

やっぱμ'sが好き