万引き家族のレビュー・感想・評価
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パルムドールおめでとう
是枝フリークの私は狙って撮ったなと感じる野心作でした。
初めて是枝映画を観る人にもわかりやすい構成になっていますし、キャスティングも完璧です。安藤サクラと松岡茉優という初起用ながら間違いない名女優二人を。リリーフランキーと樹木希林はもはや是枝作品に欠かせないメンバー。
さまざまな家族の形を描いてきた是枝裕和が勝負をかけた集大成ではないでしょうか?数々の是枝作品に出てきた樹木希林に関しては「これが最後かも」と予見していたのではないでしょうか?
安藤サクラが警察での取り調べの長回しのシーンは心震えました。新自由主義の格差社会をベースに人間の孤独と絆を描いています。
ケンローチ、ポンジュノ、是枝裕和新自由主義下の闇を描くこの三人の監督からは目が離せない。
見終わった後
家族とは
想像以上に良かった‼️
なんとも言えないが、記憶から離れない
家族とは何でつながっているものか、非現実的な人たちの生活を通して問うている。
これこそ現実
余韻
大圧倒…!
圧倒を超える言葉は何でしょう?
大圧倒?超圧倒?驚愕??
私の語彙力では、この映画の素晴らしさを表現出来ないのが悔しい。
低評価の人の理由も分かります。
悪い言葉を使うと「底辺の人間のドキュメンタリー」そのもの(そのものなのがすごいところだと思うのですが…)。それに興味なくて、おもしろさを感じないのかなと思います。
必要悪、100%悪い人間はいない…。それを実感する映画だと思います。
万引きという軽犯罪だから派手さはないけれど、この家族たちはひとりひとりが生きてる人間で、どういう人生を歩んで来たのだろうと想像したくなる種のようなものがたくさんあって、観賞後ひたすら考え込んでしまいました。
映画を観て思ったのは、映画に出てくるのはこの家族の一部分だということ。それが深いなと思いました。
「人間ってこんなことあったからこうなったと簡単に説明出来るものじゃない」というのを感じました。
幸せって難しいな。
ぬ〜
家族の「絆」って何?
今更だけどようやく観賞。
家族の「絆」って何?
それはこの映画に答えが少しあるような気がする。
いや、そんな大仰なテーマでなくても「チーム」とは何なのか?どうあるべきかが描かれている映画。
最近はやれDNA鑑定だの血液型がどうだのと「数値」で家族を決めようとするが、実は昔の家族っていい加減な判断基準により決められたものだったのかなぁって思ったりする。
「養子」とか「病院での取り違い」とかもあるが、この映画で登場する偽装家族は終戦直後のどさくさで無理矢理成り立った「家族」というチームのような雰囲気を感じる。(実際そんなケースがあったか知らないが、その時代背景ならありえるようなきがする・・・)
とにかくここに登場する子役の演技が素晴らしい。昔から動物や子役は主役を食うとは言うが、とにかく印象に残る。
リリー・フランキーや柄本明はいつも通りな演技な感じだが、上手くハマってるのが流石。
柄本の台詞「妹にはやらせるな」はあんな顔して不思議と重みがある。
日本映画は地味な作品が多いが、「ROMA」が好きだと言う洋画ファンにこそこの作品は観てもらいたい。
『家族の定義』は一つじゃない
先日「選択的夫婦別姓」の国会における議論のニュースを見た。
主に保守層からは「伝統的家族感を破壊する」といって評判が悪い。
本作では、普通とは違う「家族」が描かれる。
でも「普通と違う」といっても、それ自体が間違ってるワケでもないし、悪いワケでもない。
(万引とか誘拐はダメだけど)
他の映画でも、例えば、
「アベンジャーズ」のメンバーは自分たちを「家族」と言っているし、
「ワイルド・スピード」のメンバーも同様。
その2作を見て「あんな『家族』は許せん」なんて言う人はいないでしょ。
同様に、「家族」はいろんな姿かたちがあって、本作も同様。
でも、「選択的夫婦別姓」に反対する人は、違うんだよね。
別に、「伝統的家族観」を実現したいのは理解できる。
そうなら、自分の家族はそうすればいいだけで、他人の家族にまで口出しするな、と思う。
「選択的」なんだから。
選択肢が増えることに反対する意味が分からん。
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