万引き家族のレビュー・感想・評価
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万引き家族 リアリズム映画の傑作
ひょっとして実在のモデルがいるのではないかと思うほどリアルなお話だと思いました。同時に見ながら3本の古今東西の名作映画を髣髴としたくらい、実は確かに狙って演出しているのがわかりましたが、それでも新しく新鮮で感動しました。音楽が美しい。芝居は素晴らしい。こういう映画を今、世に出してくださりありがとう。
とてもよかった
安藤サクラが素晴らしかった。一体どうしたら演技であんな表情ができるのだろうか。先日見たばかりの、ほぼ同じ題材を描いた「フロリダ・プロジェクト」のお母さんもとても良かったが。とにかく安藤サクラが映る全てのシーンに魅了された。リリー・フランキーもウィレム・デフォーと互角以上だったと思う。
細野晴臣の音楽がメチャクチャ格好いい、そしてその音楽を派手に使わない慎み深さがまた良かった。
本当の家族の絆を考えさせられる作品
こんな話、有るわけがないと思っていたが、
映画に引き込まれていくうちに、、、
役者が皆、上手い。
自然な演技が、ヒューマンドラマを一層現実的にしている。
最近の、5才の幼女に「ゆるしてください もうぜったいにしません」というような反省文を書かせて、虐待の末、殺してしまう親の事件を思い出し、涙が出た。
本当の家族の絆とは何かを考えさせられる作品。
是枝監督作品の素晴らしい集大成。
「誰も知らない」「そして父になる」などの作品で描いた要素を引き継ぎつつ、新たな社会問題を盛り込んだ集大成的な名作です。
社会派作品ではありますが、普遍的な家族や人間の優しさを控えめな演出で表しています。出演者も樹木希林や安藤サクラ等の名優に限らず、「この人こんなうまかったっけ?」と驚くほどの繊細な演技で、作品全体の完成度を更に高めています。
一切文句の付けどころがありません。これからも是枝監督作品を見続けます。つくづく素晴らしい!
この終わり方がカンヌではうけるのだな
確かに引き込まれる映画
終わり方に意見が分かれるが、昔のフランス映画みたいに尻切れトンボ的。
これが受賞の最大要因だったりして・・・。
この映画での一番の印象は花火のシーン。
皆が縁側に集まるところに何故か引き込まれてしまいました。
ただ、この家族の前提条件?の年金目当てとか万引きとかは、生活するうえでそれ程必要な事だったのか?
ビール飲まなきゃ家賃も要らないので日雇いやパートで食っていけそうな気がする・・・
(捕まった後は安アパート暮らしできてるわけだし・・・)
色々な境遇の人が集まって、文句言いながらも楽しく暮らしているですね。
文句無し
完璧。またもや是枝監督やってくれました。キャストそれぞれに深いストーリーあり。万引きってそういう意味なのね。
映画観てから1週間くらい経つけど、まだジワジワきてます。1秒も無駄なシーン無し。感服いたしました。文句無しの☆5で。
歪み
万引きした
詐欺をした
誘拐をした
人を殺した
そんな歪みは連鎖し、いくら望んでも社会には受け入れられない弱者が生まれる。そんな弱者の話は誰も聞かない、信じない。
そんな世の中を残酷に風刺した映画だと感じた。
テーマが広くて、自分自身では回収しきれなかったからきっと観終わった...
テーマが広くて、自分自身では回収しきれなかったからきっと観終わった後にモヤモヤするんだと思う
倫理とか、愛とか、嘘とか、現実とか
こうした風刺を目の当たりにして、自分なりに受け止めて、どう考えれるかが是枝監督の作品の真髄かなって思う
産みたくて産んだんじゃないと、産まれたくて産まれたわけじゃない子供に言う大人
他人だけど、むしろ他人だからこそ愛を教えることのできる大人、でもその愛ですらも、どこから来たどういった形の愛なのかはっきりしない
嘘を隠して生活する家族、嘘があるから愛することのできた家族
愛ってなんだ、嘘ってなんだ
ただ、見たくないもの聞きたくないものを、常識とか当たり前、倫理観という概念で覆い隠す、それが現実なら、アウトローな場所で暮らす人たちの居場所はないんだろうな、それが正しくても
初日舞台挨拶にて
素晴らしすぎる…監督とキャストとスタッフの力が合わさって出来た繊細な映画。これこそが日本の宝だよ。迫力やキャストのスター性ではハリウッドに劣ってしまう点もあるが、やはり邦画は素晴らしいと再認識させてくれた映画。
主人公の治を演じたリリーフランキーは相変わらずクズだなーと心の底から思わせてくれるが、それだけでは終わらない。心を奥底まで覗ける巧みな心情描写で心が揺さぶられる。予告でも使われているシーンでは鳥肌。まさに“そして父になる”
その妻の信代を演じた安藤サクラも素晴らしすぎる。カンヌ映画祭でケイトブランシェットを、「もし今回の審査員の私たちがこれから撮る映画の中で、あの泣き方をしたら、安藤サクラの真似をしたと思ってください」と言わしめたとにかく圧巻の演技。泣く演技以外にもいいシーンはめちゃめちゃありますよ!!
そして、その娘(後に本当の関係性が分かる)の亜紀を演じた松岡茉優。『勝手にふるえてろ』や『ちはやふる』でも日本最高峰の演技を披露してきた彼女はまた新たな境地へ。重要な会話も多々あるが、池松壮亮演じる“四番さん”とのシーンが印象的で震えた。
是枝監督ならではの雰囲気も良く、とても居心地がいい。ずっと見ていたい気分になった。後半からのトーンが変わったところもすごく好き。
「誰も知らない」に似てるけど、誰も知らないの方が良かったと思いまし...
「誰も知らない」に似てるけど、誰も知らないの方が良かったと思いました。
子役の男の子は柳楽優弥と似た雰囲気ですが、柳楽優弥より男前で先々楽しみな俳優になりそうです。
映画としては、万引きして年金不正受給するような家族に共感出来る訳もなく、面白いとは思えませんでした。
相手の心境を慮る、の連続
のっけから万引きするシーンってどうよ、と思いながら、それが日常で当たり前なんだ、っていう世界に一気に引き込まれる。
歯が抜けたら屋根の上に投げる、とか、塩なめたらおねしょが止む、とか、安藤サクラや松岡茉優の団欒中の些細なセリフとか。
是枝監督の作品でいつも感じる、「あぁ、そういう人いるいる」「そういう事よく言う言う」という既視感というか、臨場感というか。
万引きして生活してるとか、おばあちゃんの年金に寄生してる部分があるとか、その価値観には賛成できないのに、なぜかいつの間にか彼らを許容し、彼らの視点で社会を眺めているのは、そういう、人と人のとの関係性やつながりってそうだよね、そういうのあるよね、と共感できる部分が様々な場面に散りばめられているからだと思います。
他の方もおっしゃってるように、刺激的なラストとか、幸せな結末があるわけではない。
映画館の広いスクリーンで鑑賞するに耐える映画か、と問われると、それでなくてもいいのかもしれない。
で、結果、何を訴えたいのか、という人もいると思う。
でも、問題提起や、テーマが、必ずしも無くてもいいんではないかと思う。
それが現実だから。
現実ってそれ以上どうすることもできないから。
そういう人もいる、
わかる部分もある、
そんな現実を知って切なくなる、
相手の心境を思って涙が出そうになる、
そんな時間を過ごせたので、
自分としてはありがたかったです。
なるほど
役者が揃って漏れなく上手いので、
「日常を切り取りました」って観えます。
これを観て、
『血縁だけが家族じゃない』
『自分は何も悪くないのに生活苦なんだ、許してよ』
と正当化したり、マネする人が出ませんように。
そのくらい自然で上手い。
これはダメな大人がしでかした家族ごっこに過ぎないし、
人にお金を集ったり、
万引きという犯罪で生計を立てるのは間違い、
とこの映画は言っているのです。
男の子の成長と、
おばさんが改心しているのが正しい姿。
一方で、
間違えたままの人を、
おじさんと女の子とお姉ちゃんで観せている。
どちらも提示して、
観た人に考えさせ、結論は無い。
カンヌが好きそうな作りの映画です。
それで良いんですけどね、映画は。
家族って…
なんなんだろうって思わされる作品。
この人達がやってることは決して許されることではないんだけど、これもあったかい「家族」だなって思えてしまう。
いろんな意味で今の時代に突き刺さる作品だと思う。
たくさんの人に観てもらいたい。
万引き家族
虐待の挙句殺してしまう親を止められない社会の陰で、あざだらけになりながら親から離れられない女の子を救い出してあげる優しさに胸が詰まる。
「三世代同居に補助」などと少子化対策の名のもとに、妙な理想家族像の押し付けを皮肉った快作でもある。
血のつながりがない人の集まりは家族ではないのだろうか。しかし頬っぺたをくっ付けたくなるような暖かさを感じるのは、犯罪が悪いとかいう問題以前の生きづらさに対する救いを見せてくれるからで、家族の本質を感じる。
是枝監督オリジナルの映画からルネ・クレマンの「禁じられた遊び」を呼び起こさせるのは、すがるもののない5歳の子が、人の温もりを一瞬でも感じてくれる安堵と、大人の都合に振り回される怒りのようなものが蘇って来たからだ。
是枝裕和の集大成
是枝裕和がこれまで描いてきたことを総動員した、まさに集大成となる大傑作。生きることは食べること、性的な描写にも嘘がない。家制度からドロップアウトした人達(スイミー)が作る擬似家族こそ豊かに映るという皮肉。ラストカット、彼女の視線の先にあるのは希望だと思いたい
語り口が兎に角上品。言葉には言外の意味があり、「傷跡」「数え歌」などの反復描写が「絆とは何か」を雄弁に語っている。役者の演技も素晴らしく、特に安藤サクラの泣き演技には圧倒された(とケイト・ブランシェットが言ってました)。細野晴臣のミニマルな音楽が緊張感を生む。ちゃんと「面白い」作品
是枝裕和はエロスの作家で黒沢清はタナトスの作家なんかな。知らんけど
『万引き家族』は殊更に問題提起をしてみせるような作品ではないことは観れば誰でもわかる。観ればな。是枝監督もインタビューでそう語っている。これはひとりの女の子に向けて語られたミクロな作品。でも観れば誰もに何か響くものがあるはず。観ればな
見えない花火を見上げる姿
人の物を盗んではいけません。
人を騙してはいけません。
人を殺してはいけません。
法治国家において至極あたりまえの理念。
しかし、それらを外れた部分でこそ結び付き合う絆があり、人々がいる。
得てして幸せな姿に見えるが、やはりいつかは破綻していくもの。
見ることの出来ない花火を皆で見上げる姿にそれが象徴しているような気がした。
いかなる理由があるにせよ、大人が万引のやり方を子供に教えるなんて事はあってはならない。
それらがあたりまえの事だと子供たちに思わせてはいけない。
祥太が治の行動に疑問を持ち始める姿を見て、少しほっとした。
真っ当な家族があたりまえに幸せだと、誰もが思える世の中になってほしい、という願いが込められているような作品だと思う。
しかし、メディアで「感動」等の言葉を使って賞賛するような映画では無いような気がする。
賛否が出てあたりまえ。そんなに甘いテーマでは無い。
それにしても安藤サクラはやっぱり良い!
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