万引き家族のレビュー・感想・評価
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十色の答えを持たせる映画
邦画の多くは問題提起をしたのち、後半で怒涛の答えあわせに入る作品が多くを占めている印象を受けるが、この作品は次々に問題提起を促して来た挙句、その答えは決して映画側から与えられることはなかったように思える。まるで何度も、答えはお前の中にあるだろう、それくらい分かるだろうと言われているようであった。
現代社会で問題になった女子高生を売るピンクなお店のシーンでは、私たちが【普通】に生きていては想像する由もない絆の形があり、それはある種の居場所の提供にもなっていると、私たちは何故かそんなことはないと決めつけている、或いは、はなからそんなことなど、頭にもなかったのではないかと思う。
テーマは明確であるが、私たちが当たり前と感じていることの本来の重み、自分たちの角度でしか見てこなかった現代の闇(一般の人らがいう闇だがそれは誰かの当たり前或いは心の拠り所)、様々な角度から様々な憶測が飛び交ういい映画だったと声を大にして言える。
何が良くて何が悪い、何が当たり前で何が歪みか、自分のズレすぎていた秤を恥じる、いい機会になった。
リアリティーのないリアル
是枝監督は一貫して「家族」をテーマにしている。立派な志であると思うが、いつもはリアリティを持たせようとするがあまり、個人的には小うるさいインテリの偽善ぶった映画を見せられているようで正直好きではない。
しかし今作は意図してかせずしてか、とんでもなくリアリティにかける題材をリアルに見せようとしているところが陳腐な言い方だが非常に良かった。
それを支える役者陣の演技力が素晴らしい。
そしてテンポもよい。物語前半は四コマ漫画のようで、しかし後半の大きなうねりと着地に向けて話が停滞しない。
個人的に安藤サクラとリリーの絡みのシーンは、今年一興奮しない濡れ場として印象に残ると思う。
何はともあれ、非言語的なシーンが多いため外国でウケるのはわかるし、逆に国内の評判が微妙になることもまた予想できる。(映画の観客側の理解力が年々落ちてることも問題だが、それはまあとりあえずおいといて)
評判がどうであれ、知り合いに一回みさせたら何かしら響く作品であるのは間違いない。
家族の繋がり
この映画は万引きによって繋がった家族の物語だ。それは経済的に生計をたてるためだけにされる万引きではない。夫婦、親と子、兄弟同士、それぞれが万引きによって繋がりを保持している。予告編でも印象的なシーンがある。子供に万引きを教えるの後ろめたくなかったんですか、と問われた父親が、ほかに教えられることが何にもないんです、とボソリと呟くシーンだ。つまり父親は万引きを教えることで親としての役割を果たそうとする。
いわゆるまともな家族、というのは、何によってまともが成り立っているのだろう。子供をまともに育て上げることだろうか。。家族は現代の中で親が子に教えてやれることとは何かあるのだろうか、ないのならどこに奪われてしまったのだろうか。
切り取り具合が素晴らしい!
えげつないほどの本気度
空疎な作品です
「家族」って、なんなのかね?
第71回カンヌ国際映画祭でのパルム・ドール(最優秀賞)受賞作品。
なるほど。そう来るわけですか。なんか、朴訥としたリリー・フランキーの演技が光りますね。普段は何となく弱々しい印象を与えつつも、ある局面で冷徹さを見せられると、“ゾクッ”とした怖さを感じずにはいられません。
そこに、安藤サクラの見事な演技。演技をしているはずなのですが、あまりにも自然で、演技をしていると言う事を感じさせません。お見事。
こういう二人を相手にすると、若手では演技派だと思うのですが、松岡茉優の演技も色あせて見えてしまいますね。
その他にも、樹木希林、柄本明、池脇千鶴・・・。こういう人たちが脇を固めての城桧吏なんじゃ無いですかね?城がフィーチャーされていますが、そんな印象を受けました。
って言うか、私的には、城よりも佐々木みゆでは無いのか?とも思いましたが、違うのかな?
“家族”と言う言葉が一つのキーワードだったので、途中まで“家族”なんだな、と思っていたんですが、終盤にその認識が一変させられます。そういう持って行き方、そして、作品の終わり方が、他のパルムドール作品とも共通する感じで、本作品がパルムドールを受けたのもわかる感じがします。
日本の問題の凝縮版
話題になっているので興味本位で鑑賞。
まず、配役が素晴らしくよかった。
俳優・子役陣のこの演技力なしにはこの作品は光らなかったと言い切れるほどに。
「万引き家族」は、現代日本が抱える社会問題が凝縮された作品だと思った。
それだけに、集団・競争社会の中でどう生きるか、
本物の愛情とはなにか、ということを考えさせられた。
素性もわからない人たちをなぜ信用して、一緒に暮らすことができるのか。
愛を求めた人たちが集まって、そこに芽生えた愛は本物なのか。
考えても答えは出ないけれど、あの家族6人の笑顔は決して偽りではなかった。
「誰も知らない」「海街ダイアリー」「そして父になる」そして本作「万引き家族」。いい意味でも悪い意味でも日本らしさが出ていて、海外でも評価される理由がわかる気がする。
是枝監督の作品ではないが、「八日目の蝉」や「母になる」(テレビドラマ)の内容と通じる部分があるようにも思えた。
映画は観ている人にモヤを残す感で終焉したため、
家族がその後どのような意思でどのような生活もしていくのかが気になった。
もっとも、それを個人の解釈に委ねるのが是枝監督らしさと言えるのだが。
繋がり とは
ただただ退屈。こんなに評価されてるのに何も響かない、何も残らない感...
リアル。
俳優は良かったが
カンヌ映画祭受賞作品という情報に飛びつき、予備知識なしで、「そして父になる」と同じような「家族モノ」だろうと予想して観ましたが、裏切られました。良くも悪くも。
女優さん、子役さんの演技は、すばらしく見事なものがありました。特に安藤サクラさんは、冒頭はおっかなく、途中は色っぽく、後半は叙情的で、すごみを感じました。
松岡茉由さんも汚れ役をリアルに演じていてすごいと思いました。
リリーさんはいつもどおりの自然体な感じです。この俳優陣の演技を引き出したのは監督の手腕でしょう。
この辺りは、フランスでも評価されたと思います。
しかし、映画全体の感想は、最初から最後までただただ寂しく、救いがないという感想です。
この映画を社会問題とか、政治問題と捉えてはいけないと思います。
人間って、いい面と悪い面があって、人と人との結びつきも、多種多様なんだ、というくらいの捉え方でちょうど良いかな、と自分は思いました。
私は、映画を見た後に、もう少しほのぼのした気持ちになることを期待していたので、低い評価にさせていただきました。
現代人の闇とでも言うのでしょうか
是枝裕和監督らしい是枝節のある本作でした。
本作品、内容が良いと言うよりも、出ている俳優さんの自然な演技が凄いですね。
まるで、昔から一緒に過ごしているかのような家族を上手く演じていて、本作品、ここが評価されたんじゃないのかな・・・
また、子役の男の子の演技力が評価されていますが、私は女の子の方が光って見えたかな、ま、本作品、現在の裏の人間関係を描きたかったのかな、全編通して、常識人では、かなり考えらない生き方に、私的には、ちょっと戸惑いも感じたな・・・・
ま、芸術的観点が分からない私なので、この手の賞をとった映画って、見終わった後「?」しか残らない・・・・
リリー・フランキーさんが、田中邦衛に見えたのは僕だけでしょうか・・・・
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