万引き家族のレビュー・感想・評価
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一回では消化しきれぬ満載さ。
梅雨の映画館。月曜日の午前、新百合ヶ丘という郊外の劇場も思いかけず長蛇の列。パルムドールの号外は客の足に直結しただろうが、それだけではない彼への期待がきっとあるのだろう。
6月の歳時記になりつつある是枝裕和新作。
素晴らしかった。正直一回観ただけではまったく消化出来ていない気がする。
安藤サクラ。けだるさの魅力。不潔にさえ見えるけだるさが、母になるにつれ凄みに変わっていく。ラストがよかった。
セリフが素晴らしかった。あのセリフでひとりのけだるい女性に賢さが宿った気がした。
リリーフランキー、松岡、樹木、みな凄かった。いいシーンはあげきれない。
でも、ひとつだけ大好きなシーンを。
松岡が池松壮亮を抱きしめる場面。震える心と身体を抱きしめる場面。涙のしずくと若い肉体が悲しく美しかった。
是枝裕和、進化の途中。もっともっと人間を家族をこの社会を深く描いてくれるだろう。
彼と同時代に生きていることが、嬉しくもかなしくもある。
もっとディテールにこだわって欲しかった
社会の底辺の人々をドキュメンタリー風にリアルに描写し、見た者に問題提起をするのが是枝監督の手法だと認識してるので、あの終わり方はありなのかなと個人的には思います。丁度あの悲惨な事件が報道されたタイミングと重なったので、より突き刺さるものがありました。
ただ、一箇所だけいただけなかったのは、リリー・フランキーの松葉杖。松葉杖を一本で使うときは怪我をしていない方で使います。スタッフたくさんいるだろうに誰も気づかなかったんですかね?リアルさを追求する是枝監督にあるまじき失敗で、少し冷めてしまいました。
弱さに共振する
実際の情景描写は…。
みなさんがご意見されていますように、中々理解に及ばないギャップと言えるものがありました。日本の社会的における層を区分けすることが自分もよくわからないのですが、僕自身もっと低層なので、リリーさんが取り調べ後にフツーにそこそこの家に住んでいる設定を受けて、「どうしたらそこに住めるの?」的な疑問が生じました。共同生活を楽しんでいる血が繋がっていない家族じみた構成は自分もちょっぴり経験がありますが、かなり気を使うのでめっちゃしんどかった。他人同士で住む違和感や押し付け感を超えて家族みたいな助け合いが生じてくるきっかけをほんの少しでも見せて(魅せて)欲しかったなぁー。役者さんのそれぞれは、本当にそこいらに居そうな感じで、お名前を知っていても役者さんのイメージが先行せずに入り込めました。樹木希林さんは凄い。本当にそんなお婆ちゃん居ますから。笑
芸術性なカットとか、それ以上は観客本人で考えろーーーとかの表現方法はある意味凄いんでしょうけど、どんな世代が見ても共感やじんわりくるジブリ的とは言いませんが、わかりやすさがもう少しあってこそお客さんや映画館に足を運んで観てくれる人に伝わりやすいのかなぁーなんて思います。
是枝さんのような映画監督がいてよかった
見る人によって見る観点と深度が大きく変わる映画だと思いました。5歳の子どもと10歳前後の子どもでは、親に対する愛着や視点は大きく違っていて、それがラストに浮き彫りにされていたような気がします。「僕を置いて逃げようとしたの?」「…そうだったな」や、「これからはおじさんと呼んでくれ」「…そうする」といった会話や表情がとても切なかったです。そういう風に生きていくしかできない人や、社会的に上手に生きているように見える人でも何かを省いて平静を保っている人もきっと少なくないのかなと思いました。翔太と治のバスのシーンが忘れられません。翔太はこれからどう治と関わっていくのかな。
もっと大衆に寄せてほしい
是枝裕和は天才
待ちに待ってた是枝監督最新作!
1日たった今でも、何て感想が正しいのかよく分からないぐらいの超大作。超大作という言葉は作品のストーリーや雰囲気的には相応しくないけど、超大作でした。こんな映画作られたら、日本の映画監督達は今後の進むべき道が完全迷子になりそうな、誰にも作れないような映画。結果的に言うと、是枝監督だから当たり前なんだけど、、めちゃくちゃ面白かった!!!!
何度も同じようなこと言いますが、面白い映画ってのは始まって5分、というより始まった瞬間に「こりゃ当たりだ」という空気感が伝わってきます。
また、一見映画好きではない人にとっては入り込めなさそうな雰囲気に見えますが、役者さん全員演技が抜群に上手いから動作やセリフ(もはや用意されたセリフなのかなんなのか混同して混乱しますが)のひとつひとつで、この人物の性格や人格や育ってきた背景や考え方が手に取るようにしてわかるため、良い意味でとても観客にとっては
分かりやすい入り込めやすい映画だなと思いました。最近のニュースとも重なる展開やシーンがあり過ぎて辛いところも多々あります。
しかし作品として、監督の撮った映画の中でも確実にベスト3に入りますし、とても良かったです。観た後、あの人はどうなっただろうとずっと心にモヤモヤは残りますが…。
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昨年の「三度目の殺人」が今年の3月に日本アカデミー賞最優秀取ってましたが、あれざ最優秀取れるんだったら、「万引き家族」もパルムドールとか関係無しに絶対最優秀取れると思います。
というかこないだの日アカは「三度目の殺人」が取るのであれば私は「あゝ、荒野」が取るべきだったと思いますが…。これもあくまで好みや主観の問題かもしれません。
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何はともあれ、これから今年の下半期も始まっていくので、この作品を超える日本映画に期待はしてます!!!
それが無ければ、来年3月の日本アカデミー賞では作品賞、最優秀主演男優賞、最優秀助演女優賞、新人賞など「万引き家族」が総ナメにするんでしょうな…。
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カンヌで安藤サクラに感動した審査員や俳優女優さんたちが「百円の恋」を観た感想を是非聞かせて欲しい…☆
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リリーフランキー、安藤サクラ、樹木希林、松岡茉優、佐々木みゆ、城桧吏、
皆最高でした。皆大好きです。
安藤サクラ名演
貧困層の生活が現実感を持って映像化されている(狭く乱雑で不潔な部屋で暮らし、カップラーメンを食べる)最初は社会の底辺の生活の苦しい、怠惰で万引きを平気で子どもにさせる、クズだけれども愛情はある一家と思っていたけど、だんだん互いの関係の不自然さがわかってくる。ミスリードが上手い。お婆さんが亡くなるあたりから夫婦の暗い過去が表に出て来る。安藤サクラの演技がリアルで素晴らしい。登場人物が全て幸福ではない。しかし救いがないわけではない。ハッピーエンドではないけれどバッドエンドでもない。
よくわからないけど、後から込み上げて来るものがあるような…。
感想とかもよくわからない。
でもあの家族には癒される。
女の子がとっても可愛い。
麩を食べるところが好き。
なんだろ、最初みてるときはほっこり家族の物語をみているのだけど、
後半急に変わるから結局なんだったんだろうあの家族は、って。
壊れるのは時間の問題だった気がするけど、
結局バラバラになってもみえない絆で繋がってたりするのかな。なんか結局どうなったのかよくわからない。
もう一回観ないと凡人にはわからないのかもしれない。
あの家族はなんだったのかいまいちわからない、でもそれでいいのかも。
なんかふわっとした感覚です。
法制度とか、常識とか一般の正義とか、果たして本当にそれがその子や家族にとって幸せなのか?家族って選べないの?選べた方が幸せじゃない?とも。残酷な現実ってやつが、ある意味理想な家族を引き裂いていく、心温まるのになぜか切ないような、本当よくわかんない。
こういう映画には初めて出会いました。
家族の定義とは
盗みで生計を立てている家族。
血の繋がりはなく、根本のところで何を考えているのかみんな隠されている。
何をもって家族というのか?
血が繋がっていたら?
でも夫婦は血が繋がってないよね?
各々の事情は確かにあって、でも、それでも帰る場所はあの家。
誰とも血の繋がりがないからこそ、期待しないって言葉が重い。
安藤サクラの質感とか、樹木希林の得体の知れないおばあちゃん感とか、松岡茉優のきれいさとその裏側の生々しさとか、子役の2人のどこか息苦しい思いとか、
ドキュメンタリーのような暗さがある。
本当のことを言っているようで、言っていないような気もする。
救いがあるようでどこにもない。
見る人によって解釈が分かれるような気もする。
わたしは母親を思い出しました。
雨の日の今日どうしても見たくて、見られて良かった。
★の数で評価できるようなものじゃない
この映画の感想を言葉にするのは難しく、実際に見た直後は話す事ができなかった。見終わった後すぐに立ち上がる事が出来ず、エンドロールが短く感じるほど。次の日にならないと冷静になる事ができなかった。
★を付けるならば最高得点の★5にするしかないが、そういう評価さえ必要性を感じない。
映画祭の最高賞もいいが、ノーベル文学賞の方が似合う作品ではないかと思った。
これ以上の日本映画を私は知らない、という言葉さえ陳腐に思えるほどで、やっぱり言葉が見つからない。
人が人に依存し、愛情を注ぎ、愛情を受けて、共に生きる、というのはどういう事なのか。様々な価値観に疑問を呈す。
もう二度と見たくない映画でもあり、必ずもう一度見る映画でもある。
【感想の意見交換させて下さい】
CMでおもしろそうだなと思い、見てみました。
見終わったあとの感想は、あまり伝わるものがなかったな、伝えたいことを自分がキャッチできなかったな、というのが正直な感想でした。要はおもしろくなかった。
ですが、たまにある見終わったあとのどこかもどかしさを感じれる映画だと思いました。そう感じたのは自分だけではないのではないかと思い、レビューを見させてもらってました。
個人的に見て印象に残ったorあまり良くない印象だったをここに綴らせてください。
・シーンのブツ切りが多い
→ストーリーが一回一回途切れるように感じ、あまり物語の時間が流れているようには感じなかった。
・台本、セリフは要所の言葉しか書かれていない、あとはほぼ流れで演技してるのかなと感じました。良くいうと、すごく自然でありのままに感じた。悪くいうと、余計なもの(間延びなど)を感じた部分があった。
・カメラのレンズのぼかし
前半から撤退して、ぼかしを使って観客の視線を特定しようとしていたように感じます。それだからなのか少し窮屈に感じました。ただ全体を見せる場面も数カ所あったので、もしかするとそれを活かすための布石?なのかも。
ここからは逆にレビューを見てわかりました。
さいごのほうのシーンで「祥太」が口パクでなんて言っていたのか。そのシーンの彼のせめぎ合いはすごく印象に残っています。
そのシーンが良かっただけに逆に最後なぜ、りんちゃんのカットで終わらせたのかがすごく興味あります。どなたかこうなのではないか?とご意見下されば幸いです。
あの子で終わらせたということが、監督の一番伝えたかったことなのだと思うのですが、、
事前に予想せずみて欲しい
声を上げて泣きそうになる作品
結構重い・・・
貧しさ故に家族ぐるみで万引きし、生計を立てている。それでも、元気に楽しく生きている・・・
みたいなストーリーだと思っていたが予想以上に重い作品でしたね。
序盤から虐待を受けているであろう女児を家に勝手に連れてきちゃって、おいおい何してんの?って思ってたけど、この家族 ただの万引きだけの家族じゃなかったです。
現代を反映するような問題がいろいろ詰まってました。
こんな家族は実際にはいないのだろうが、似た境遇の人はいるかもしれない。
道徳的に間違っていても、家族の絆としては正しいのか?
同意はできないけど、考えさせられる作品です。
それにしても、目黒の幼児虐待死という胸くそ悪くなる事件がタイムリーで起こってる中、この作品の少女を見てると切なくて切なくて。。。
いずれにしても、かなりの衝撃作だと思いますし、とても印象に残った作品でした。でも、後味は決していいものではない。何とも重い気持ちで会場を後にしました。
まあ、これ程感情に影響を与えてくるって事、そういうとこがすごい作品なんだろうって思うけど。
1つ残念だったのは、最近の邦画でよく見られるんだけど、演技が素晴らしいが故にセリフが聞き取りずらい!
今作も結構聞き取りずらいとこ多かったです。
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