万引き家族のレビュー・感想・評価
全920件中、501~520件目を表示
スイミー
日本の社会問題がたくさん詰め込まれていますが、
暗すぎず、
暖かいシーンが多かったのがよかったです。
是枝監督の映画は、生活感や季節感が
とてもよく伝わってきます。
リンちゃん役の女の子の
表情、話し方、間の取り方が印象的でした。
祥太くんが音読していたスイミーの一節、
「持ち場を守って、決して離れず、
みんなそろって泳ぐんだ」
曖昧ですが、なるほどなぁ〜と。
すべてを肯定できる家族のあり方ではないと
思いましたが、今は、ひとりひとりの視点で
この血の繋がらない家族のことを考えています。
個人的には最後は希望を感じる終わり方で
よかったです。
演技と演出と美術で感じさせるリアリティー
安藤サクラだ。
少女を後ろから抱きしめ、頬擦りする暖かさ。
下着もあらわな姿でそうめんをすすり、それを見たリリー・フランキーが欲情するより先に男を押し倒して上になる発情。
極めつけは、池脇千鶴捜査官の前での涙。
「誰も知らない」の母親YOUは、いわゆる男依存症で、子供たちにいい子でいるように言いきかせて男の元に行ったまま放置する。
たまに帰ってくるのだが、そこでは思いの外子供を可愛がる。
母親と子供たちがふれあう場面は前半の短い間しかないが、そこでは子供を愛する母親ぶりが描かれている。
後半で、置き去りにされても尚、母親を慕う子どもたちの姿から、
可愛がったり放棄したりする母親の身勝手さの罪深さが強調されていたように思う。
「万引き家族」の母安藤は、やはり社会的にはずるい生き方をしているのだけれど、肩寄せあって生きる疑似家族の関係を大切にしている。
子供が実の親から虐待されるなら、その親から引き離して自分が愛してあげたいと思う。
父フランキーは、それほど意思が強いわけではなく、むしろ子どもと同じ立ち位置で「仲間」くらいの意識なのではなかったか。
少年に「父ちゃん」と呼んで欲しがっている子供オヤジだ。
「誰も知らない」では母YOUの目線は描かれていない。
一方、「万引き家族」では、母安藤の「子どもから選べない実の親よりも、自分で選んだ親の方が良いのだ」という意識が明示されている。
しかし終盤、刑務所に面会に来たフランキーと少年に向かって、私たちじゃあダメなんだよ(実の親でなければ?)と、悟ったような台詞を安藤に言わせるのは、家族に血のつながりは必要か?という問いかけが主題だと思わせておいて、梯子を外されたようだ。
他の出演者たちもすべからく素晴らしい。
樹木希林、柄本明は相変わらず見事。
リリー・フランキーは、どこに行っても素の演技で、是枝演出に合っている。
美術も素晴らしい。
あの家族の住まいのリアリティー。
少なくとも外観はロケーションのようだから、探したスタッフもたいしたものだが、家の中は、実際にあのような家族がいたかのようだ。
強い絆で結ばれていたかに見えた疑似家族は、結局バラバラになり、それぞれが信じてしがみついていた何かは、消え去ってしまう。
なんとも残酷な結末は、是枝監督のリアリストぶりがなせる業か。
「誰も知らない」のラスト、あの子達、そして女子高生は、この後いったいどんな人生を送っていくのだろうかということが、暫く頭を離れなかった。
「万引き家族」のラスト、少年と少女に待ち受けているのは悲惨な未来しか想像できない。
それが、無性に悲しく、やりきれない。
最後に、松岡茉優の女優開眼を高く評価しておきたい。
イマイチ
始めにインパクトを受けやすい様にあえて、予告も見ず情報を一切入れずに映画館に行って来ました。
万引き家族という題名なので、迫力、心を打たれる考え深い様な内容を想像してたら拍子抜けしました。
覚えているのは万引きの描写と、エロ
ハッキリ言って家族と見るような映画ではない
間違いなく気まずくなる カップルで見るなら丁度いいかも。
物語の進行も極めて遅い、眠くなる。
一人一人の回想シーンや考えさせられる場面もあるかと思っていたが無い。だからのめりこめない。
終盤の進行は結構速かった。100分間ゆっくり進めたのが残り20分ぐらいで全力疾走って感じ。 流石に速すぎ。自分は追いつけなかった。お陰で2時間無駄になったw
この映画で勇逸マシな評価ができる部分は
エロシーンと犯罪シーン
意外と犯罪シーンを見てたらコッチもドキドキした
迫力はある。
でも、
自分が思っていたような映画ではありませんでした。
あと万引きシーン少ないです。
多くを詰め込み過ぎたか。
巧いが推せぬ。
犯罪許容で成り立つ甘美な共同体もやがてはあの宗教や革命のリンチ場に陥るとは終ぞ語られぬ浅さ。
家族は退屈とだけ語りたいのか。
家を背負い正しさに踏み留まろうともがいた柳楽優弥の瞳を想う。
貧困虐待他と多くを詰め込み過ぎたか。
2回目は、一人一人の想いが気になった
1回目は事の顛末に唖然としてしまった感じ。
今回は、登場人物それぞれの想いはどこにあるのかすごく気になった。そして、その後の生活を、ささやかでも家族時代より幸せになれるのを祈らずにいられない。りんの感情のない視線で終わるからなおさら。次観たら、また違う思いになるんだろう。物悲しいが名作。
少年よりは…
久しぶりの劇場鑑賞です。土曜でしたが客が多くてびっくりしました。シートがもっと広ければなぁ。
是枝作品は初見です。偽物家族が本物家族に勝る。新味のないテーマですね。でも普遍的かな?
亜紀の家族はなぜ捜索願いを出さないのか?治と初枝はほんとの親子なのか?住んでた家は初枝の持家なのか?よくわかりませんでした。
樹木希林のちょっとボケたような演技、安藤サクラの泣く演技、よかったです。松岡茉優のエロシーン、度肝抜かれました。意外にグラマー。カンヌはやっぱりエロシーンは要るんでしょうか?w女優の体を綺麗に撮ってましたね。
信代たちが人を殺してた設定は余分だと思いました。
クライマックスの祥太が捕まったシーンの後は冗長に感じました。
じゅりのシーンで終わったのにはちょっとあざとさを感じてしまいました。
カンヌで最高賞をとれなかった大島渚の「少年」の脚本の完成度には及ばないように思いました。
なるほど!
是枝監督は最後に何を言いたいのかと問う作品が多いのですが、この作品は最後まで分からなかった。モヤモヤしたまま劇場を出たのですが、外のこの作品のポスターを見てハッと思いました。劇場動員数が多いのがわかった気がします!是枝マジック‼︎
やはり素晴らしい映画
どの役者の演技も素晴らしく、只々画面に引き込まれて見入ってしまった。
監督が政権批判的な発言をしたためか、アンチが大量に発生し、日本人の印象を貶めるものだという頓珍漢な解釈まで登場しているようだが、このようなアウトローはどこの国でもあり得るものだろうし、ましてや映画の意図は政権批判なんかにある訳ではなく、他のレビュワーさんも言われているように、嘘と犯罪で塗り固められた「万引き家族」こそが本当の家族であって、合法な「虐待家族」「幸せ家族」の方こそ偽物の家族なのではないかという視座の転換にあるのは明らかであろう。このようなことを可能にするのは映像作品ならではの特性であり、映画祭での評価が高いのも当然と言える。
何度も見たいと思う映画ではなかったが、何度も見ることで理解が深まるのではないかと思う。
安藤サクラの圧倒的存在感
万引き家族が1人の虐待されていた子供を見つけた事から始まる家族の物語。
はっきり言って前半は期待出来なかった。
収入が低く、仕事する気があまり見られない家族。
「貧乏な家ってそんな散らかり状態じゃねーよ!」ってツッコミたい気持ちを抑えながら観てましたw
お婆ちゃんが機転となる後半から徐々に面白くなっていった。
明らかになって行く家族の秘密。
家族とは?考えさせてくれます。
終盤の安藤サクラ尋問シーンは圧巻でした。
全体的に悪くは無い内容なんです。
ただ、この家族達に貧乏ながらの夢や希望が見出せないので、映画的に絶賛出来ない所なんですよ。
1人の他人の虐待されてる子供を見つけ、淡々と物語&家族の変化を語る映画。
是枝監督らしいと言えば、それまでですが。
不満は松岡茉優の職業。何を語りたかった?
スタイルが良かった事は目の保養。
とにかく安藤サクラが素晴らしい!
決してきれいなお話ではないし、好き嫌いははっきり分かれると思いますが、みんな演技がうまい。
中でも安藤サクラの演技は光ってます
手のひらで顔をこすりながら泣くシーンは、号泣でもなく、きれいな涙でもなく、ふいに感情が込み上げてきて、あたしなんで泣いてるんだろう。悔しいけど涙止まらないわ感が実に自然だった
この人すごい!すっかりファンになってしまいました
なんだかなぁ〜
色々 問題を持つ人たちが家族風に暮らしているのは理解できたが 腑に落ちない部分がかなり有り 観た人の感じ方次第で良くも悪くもなる。
実際 描かれていた各々の問題は明確に答えの出る事ではないにしても 観た後のモヤモヤ感はハンパない。
ただ 安藤サクラ 好きになりました。
最後の「幸せだったから」それで良いと思う。
ちょっと極端かも知れないけど
まあ、悪くはなかった。
監督が主張したいテーマはわかる。今の世の中の問題の縮図を描いたのかも知れないけど、あまりにあり得ない設定ばかりかなぁ…。
感動はしない。
でも、考えさせられた。でも、ややもすると万引きを稼業にして、納税しない人々を一生懸命いきてると称賛しかねない内容は、ちょっと嫌かな。
映画は反体制だからと政府の顕彰を断ったそうだけど、制作費は権力(文化庁)の補助を受けるのね?
ちょっと矛盾してる気もする。
映画の本質も、こういう矛盾がある気もした…。
虐待を受けて育った私から見たら……
たぶん、ごく普通に育った方達にはなんとも理解し難い姿でしょう。
この映画の主人公達を漠然と自分達とは全く違う人間だと思って見てるとよけい分からないと思います。
私は虐待を受けながら育ち、成人して家を出たあとも学歴の無さから低賃金の仕事にしか就けなかったりでなかなかうまく行かず無一文になったこともありました。
販売業の仕事した経験からあれほど憎んでいた万引きだってしちゃおうかと魔が差したことなんて何回もあったし他にもここでは書けないような事を考えていた。
だから罪を犯す人と普通の人に差なんて無くて誰だって道を踏み外してしまう可能性は充分にあることも、血の繋がった家族だからって素晴らしい絆があるわけでないこともこの時期の体験から学んでいた私は主人公たちの姿をすんなりと受け入れる事か出来ました。
じゃああの頃の私が実際一度も道を踏み外さず立ち直れたのは人に恵まれたからです。
この映画に出てきた駄菓子屋のおじいちゃんや、虐待されている少女を親から引き離した主人公たちのような人でした。
彼らは決して自己責任だと言って私を突き放さず、生活保護の申請も薦めてくれたし受給開始後も就活しやすいよう支援事業所も探してくれました。おかげで今は仕事も安定して生活保護も利用していません。
しかしそれでも平均より収入が低く、生育環境で一度開いてしまった差を埋めるのは容易ではないことも実感しています。
だから最初現代の貧困をテーマにしてるのかと思いこの映画を見たら貧困以外の社会問題をたくさん入れていて、驚くと同時に涙が止まらなかったんです。
そして救いのないラストで感極まって号泣。涙声を押し殺すのにだいぶエネルギー使った。
正直、万引きはそんなに関係ないと思えるほどメインの描写が重い。
大多数の人たちが気にしているであろう万引きで生計を立てるやり方は生活するに困るため商品が必要なものの、買うためのお金を合法的に得る手段が無い状況を分かりやすく描写するために出したのかもしれません。
これは教育格差によって学ぶ機会が乏しかったりすると普通になり得る状況です。就ける仕事の幅が狭まりますから。
なので社会問題が重なってしまった悲しい結果なんでしょう。弱者に厳しいと、追い詰められた弱者は道を踏み外して新たな被害者を出す可能性が高くなる。そうなると結局国民全員が損するというメッセージもあるんじゃないでしょうか。
あと主人公達の家が物でゴチャゴチャ散らかっているのに、裕福な家庭の家はすっきりシンプルにまとめられているのもリアル。貧しいゆえ満たされない心を物で補おうとしてしまったり、知識がないゆえ駄目な金の使い方して家が散らかるのは私も同じでした。
だけど難しいですね。
こういった社会問題に普段から気にかけていないと示唆するシーンに気づかぬまま「訳の分からない映画」で終わってしまう。
理解できたら理解できたで不快に感じてしまう人がいると思います。
今まで認めたくなくて見てみぬふりしていた世界を否応なく突きつけてくるんですから。
児童虐待。
障害者の風俗通い。障害者が抱える劣等感。自分は必要とされていないという絶望。
未成年の風俗の仕事。
学校に行けない子供。
貧困からの教育格差
血のつながった家族の絆は強い、という理想の家庭像を世間が押し付ける影で出てくる犠牲。
自活できるほど良い仕事に恵まれない大人。
少ない年金で孤独に暮らすお年寄り。
これらの問題を、注意して見ていないと気づかないくらいの自然さで物語にぶっ込んでます。
こうして運悪く社会から見捨てられてしまった人達になにか気にかけた事はあったか?
全部、本人の問題だ自業自得だと片付けて見てみぬふりしてこなかったか?
なのに、テレビやネットの中だけで伝えられる一部の情報だけで全部分かった気になって、「お母さんならそんなことしない。本当の家族はそんなんじゃない」と身勝手な決めつけでしかない事をあたかも正しい事かのように押し付けてこなかった?
それで、一人の幼い子供が虐待を受ける家庭にまた戻され、傷つけられ、充分な教育を受けられる機会に恵まれなくなったとしても「どうせ他の誰かが、政治がなんとかするでしょ」と他人事に思ってない?
一度ちゃんと考えてくれないか?これらの問題について。
……こんなことを静かに静かに伝えてくるような映画だと感じました。
じゃあどうすればいいの?という問いに答える存在が駄菓子屋のおじいちゃんなんだろうし、非合法的とはいえ虐待されてた女の子を親から引き離して助けた主人公達なんだろうし。
血がつながっていなくたってお金が無くたって一軒の家に集まって過ごす主人公達ののほうが本当の家族に見えるのがこの映画の肝かのかなと思いました。
家族というのは自然に出来るものではないという事なんでしょうか。
前述した虐待を受けて育った経験から
「冷めた肉親よりも優しい赤の他人」
「家族は自然になるものではなく、努力してするもの」
という考え方が元々ある私はこの描写を違和感なく受け入れられたけど、大多数の人にはやっぱりしっくり来ないんだろうな。
上映が終わったあと劇場の中で「なんかよく分からなかった」と戸惑う声がちらほら聞こえていたし、号泣してたのも私だけだった(笑)
まあごく普通の人生においてこんな生活は縁遠いものですからね…。本当にごく普通に育った人からしたら石油王の1日、みたいに非現実的だと思う。。でも現実なんです……これがまた気が滅入る。
観客達のこの「よく分からない」という反応もまたこの映画の一部に感じられて感慨深い。
でも誇張でもなんでもなくこの日本でもこんな人達がいます。皆が気づかないだけでこんな世界が本当にあります。
そんなことを映画にして多くの人達に伝えようとしたのだから是枝裕和監督はすごいですね。
そしてこの映画に込められた想いを感じ取ってカンヌ国際映画祭のパルムドールを授けたこの世界に希望を感じます。
この映画を作ってくれて感謝の気持ちさえあります。
私も他人事で済まさず困っている人達を助けられるよう常日頃から気をつけようと思います。
本当にありがとう。
全920件中、501~520件目を表示