万引き家族のレビュー・感想・評価
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寄せ集めの家族
万引きしながら生き延びている家族の話かと思ったら、血の繋がりの殆ど無い人間の寄せ集めだった。一般的な家族の話では無かった。でも、確かにこの人達の間には、暖かい絆の様な物があり、困っている子供を助ける優しさがあり、児童相談所の人達や警察に責められて苦笑いする大人たちの弱々しさが切ない。世間が考える家族では無かったけれど、一つの家庭を作って守ってきた人達なのに。警察に子供になんで呼ばれていたと聞かれて、なんだったんでしょうと泣く信代、もうお父さんやめておじさんになるねと言った治。なぜ息子に自分の本名の翔太とつけたのか。一筋縄ではいかない人間の苦しみみたいなものがあった。
お父さん、お母さんって呼ばれたい?
父ちゃんとノブヨは風俗かなんかの客で、ノブヨのダンナを正当防衛で殺して2人で遺棄したあと窃盗で食いつなぎ、婆さんの部屋に転がりこんで年金と万引きで暮らしていた。車上荒しのときに男の子を盗んで自分の名前を付け万引きを覚えさせる。婆さんは死んだ旦那の後妻のとこに焼香しこずかい稼ぎ。そこの自傷癖の娘は海外留学と偽って婆さんのとこで風俗のバイト。虐待されてた5歳の女の子を拾ってきてまるで6人家族のように暮らす。みんなで海に行ったあくる朝、婆さんが突然死んだので床下に埋葬。いつもの駄菓子屋でリンと名づけた少女には万引きさせんじゃねえぞと。いつものスーパーでリンが自分から万引きするのを見てショウタは自ら捕まる。警察や世間に全てが暴露され全員バラバラに。罪を被ったノブヨの拘置所へ父ちゃんとショウタが面会に。ショウタの両親のクルマを教え自分で決めなと。虐待に戻ったリンはお兄ちゃんが迎えに来るのをひたすら待つ。捨てられてるから拾う。血の繋がる家族はどこもダメ。絆とは?子役や樹木希林が素晴らしいが安藤サクラがスゴイ。
演技を観に行くのでは無い
スイミー
日本の社会問題がたくさん詰め込まれていますが、
暗すぎず、
暖かいシーンが多かったのがよかったです。
是枝監督の映画は、生活感や季節感が
とてもよく伝わってきます。
リンちゃん役の女の子の
表情、話し方、間の取り方が印象的でした。
祥太くんが音読していたスイミーの一節、
「持ち場を守って、決して離れず、
みんなそろって泳ぐんだ」
曖昧ですが、なるほどなぁ〜と。
すべてを肯定できる家族のあり方ではないと
思いましたが、今は、ひとりひとりの視点で
この血の繋がらない家族のことを考えています。
個人的には最後は希望を感じる終わり方で
よかったです。
演技と演出と美術で感じさせるリアリティー
安藤サクラだ。
少女を後ろから抱きしめ、頬擦りする暖かさ。
下着もあらわな姿でそうめんをすすり、それを見たリリー・フランキーが欲情するより先に男を押し倒して上になる発情。
極めつけは、池脇千鶴捜査官の前での涙。
「誰も知らない」の母親YOUは、いわゆる男依存症で、子供たちにいい子でいるように言いきかせて男の元に行ったまま放置する。
たまに帰ってくるのだが、そこでは思いの外子供を可愛がる。
母親と子供たちがふれあう場面は前半の短い間しかないが、そこでは子供を愛する母親ぶりが描かれている。
後半で、置き去りにされても尚、母親を慕う子どもたちの姿から、
可愛がったり放棄したりする母親の身勝手さの罪深さが強調されていたように思う。
「万引き家族」の母安藤は、やはり社会的にはずるい生き方をしているのだけれど、肩寄せあって生きる疑似家族の関係を大切にしている。
子供が実の親から虐待されるなら、その親から引き離して自分が愛してあげたいと思う。
父フランキーは、それほど意思が強いわけではなく、むしろ子どもと同じ立ち位置で「仲間」くらいの意識なのではなかったか。
少年に「父ちゃん」と呼んで欲しがっている子供オヤジだ。
「誰も知らない」では母YOUの目線は描かれていない。
一方、「万引き家族」では、母安藤の「子どもから選べない実の親よりも、自分で選んだ親の方が良いのだ」という意識が明示されている。
しかし終盤、刑務所に面会に来たフランキーと少年に向かって、私たちじゃあダメなんだよ(実の親でなければ?)と、悟ったような台詞を安藤に言わせるのは、家族に血のつながりは必要か?という問いかけが主題だと思わせておいて、梯子を外されたようだ。
他の出演者たちもすべからく素晴らしい。
樹木希林、柄本明は相変わらず見事。
リリー・フランキーは、どこに行っても素の演技で、是枝演出に合っている。
美術も素晴らしい。
あの家族の住まいのリアリティー。
少なくとも外観はロケーションのようだから、探したスタッフもたいしたものだが、家の中は、実際にあのような家族がいたかのようだ。
強い絆で結ばれていたかに見えた疑似家族は、結局バラバラになり、それぞれが信じてしがみついていた何かは、消え去ってしまう。
なんとも残酷な結末は、是枝監督のリアリストぶりがなせる業か。
「誰も知らない」のラスト、あの子達、そして女子高生は、この後いったいどんな人生を送っていくのだろうかということが、暫く頭を離れなかった。
「万引き家族」のラスト、少年と少女に待ち受けているのは悲惨な未来しか想像できない。
それが、無性に悲しく、やりきれない。
最後に、松岡茉優の女優開眼を高く評価しておきたい。
イマイチ
始めにインパクトを受けやすい様にあえて、予告も見ず情報を一切入れずに映画館に行って来ました。
万引き家族という題名なので、迫力、心を打たれる考え深い様な内容を想像してたら拍子抜けしました。
覚えているのは万引きの描写と、エロ
ハッキリ言って家族と見るような映画ではない
間違いなく気まずくなる カップルで見るなら丁度いいかも。
物語の進行も極めて遅い、眠くなる。
一人一人の回想シーンや考えさせられる場面もあるかと思っていたが無い。だからのめりこめない。
終盤の進行は結構速かった。100分間ゆっくり進めたのが残り20分ぐらいで全力疾走って感じ。 流石に速すぎ。自分は追いつけなかった。お陰で2時間無駄になったw
この映画で勇逸マシな評価ができる部分は
エロシーンと犯罪シーン
意外と犯罪シーンを見てたらコッチもドキドキした
迫力はある。
でも、
自分が思っていたような映画ではありませんでした。
あと万引きシーン少ないです。
多くを詰め込み過ぎたか。
2回目は、一人一人の想いが気になった
少年よりは…
久しぶりの劇場鑑賞です。土曜でしたが客が多くてびっくりしました。シートがもっと広ければなぁ。
是枝作品は初見です。偽物家族が本物家族に勝る。新味のないテーマですね。でも普遍的かな?
亜紀の家族はなぜ捜索願いを出さないのか?治と初枝はほんとの親子なのか?住んでた家は初枝の持家なのか?よくわかりませんでした。
樹木希林のちょっとボケたような演技、安藤サクラの泣く演技、よかったです。松岡茉優のエロシーン、度肝抜かれました。意外にグラマー。カンヌはやっぱりエロシーンは要るんでしょうか?w女優の体を綺麗に撮ってましたね。
信代たちが人を殺してた設定は余分だと思いました。
クライマックスの祥太が捕まったシーンの後は冗長に感じました。
じゅりのシーンで終わったのにはちょっとあざとさを感じてしまいました。
カンヌで最高賞をとれなかった大島渚の「少年」の脚本の完成度には及ばないように思いました。
なるほど!
やはり素晴らしい映画
どの役者の演技も素晴らしく、只々画面に引き込まれて見入ってしまった。
監督が政権批判的な発言をしたためか、アンチが大量に発生し、日本人の印象を貶めるものだという頓珍漢な解釈まで登場しているようだが、このようなアウトローはどこの国でもあり得るものだろうし、ましてや映画の意図は政権批判なんかにある訳ではなく、他のレビュワーさんも言われているように、嘘と犯罪で塗り固められた「万引き家族」こそが本当の家族であって、合法な「虐待家族」「幸せ家族」の方こそ偽物の家族なのではないかという視座の転換にあるのは明らかであろう。このようなことを可能にするのは映像作品ならではの特性であり、映画祭での評価が高いのも当然と言える。
何度も見たいと思う映画ではなかったが、何度も見ることで理解が深まるのではないかと思う。
安藤サクラの圧倒的存在感
万引き家族が1人の虐待されていた子供を見つけた事から始まる家族の物語。
はっきり言って前半は期待出来なかった。
収入が低く、仕事する気があまり見られない家族。
「貧乏な家ってそんな散らかり状態じゃねーよ!」ってツッコミたい気持ちを抑えながら観てましたw
お婆ちゃんが機転となる後半から徐々に面白くなっていった。
明らかになって行く家族の秘密。
家族とは?考えさせてくれます。
終盤の安藤サクラ尋問シーンは圧巻でした。
全体的に悪くは無い内容なんです。
ただ、この家族達に貧乏ながらの夢や希望が見出せないので、映画的に絶賛出来ない所なんですよ。
1人の他人の虐待されてる子供を見つけ、淡々と物語&家族の変化を語る映画。
是枝監督らしいと言えば、それまでですが。
不満は松岡茉優の職業。何を語りたかった?
スタイルが良かった事は目の保養。
とにかく安藤サクラが素晴らしい!
決してきれいなお話ではないし、好き嫌いははっきり分かれると思いますが、みんな演技がうまい。
中でも安藤サクラの演技は光ってます
手のひらで顔をこすりながら泣くシーンは、号泣でもなく、きれいな涙でもなく、ふいに感情が込み上げてきて、あたしなんで泣いてるんだろう。悔しいけど涙止まらないわ感が実に自然だった
この人すごい!すっかりファンになってしまいました
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