劇場公開日 2018年6月8日

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「駄菓子屋の店主」万引き家族 hi02さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5駄菓子屋の店主

2020年8月9日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

東京の下町で、祖母・父・母・母の妹・息子の5人が暮らしていた。
ある冬の日、父は虐待されている女の子を家に連れて来て、
6人で暮らすようになった。

“万引き家族”というタイトルだが、
万引きしているのは主に父と息子である。
しかし、物語が進むにつれ、
他のメンバーも世間的には良くないことをしていることが
徐々に明らかになっていく。

息子が単独でよく万引きしている駄菓子屋に
息子と女の子で行き、女の子が万引きした時に
息子は「妹にはさせるな」と年配の店主から言われる。

そこから、6人での暮らしは徐々に崩壊に向かい・・・。

描写はないが、
店主が「妹にはさせるな」と言った意味を、
息子は深く考えたと思われる。

自分の万引きは黙って見ていたのか。それはなぜか。
同情か。見捨てられているのか。自分の判断でやめろということか。

以降、息子は父との万引きを渋り始め、
やがて大きな転換点を迎える。

他にも印象に残っているシーンがある。
母の妹が祖母に”童貞殺し”を説明しているシーンである。

ちょっと横乳の見えるニットのワンピースを着て
乳を揺らすと3000円という母の妹の説明に対して、
祖母は「いいねぇ、そんなんでお金もらえて」と応じる。

正しさが過度に強調される現代日本の風潮を
一蹴する強さが、その発言にはある。
貧しさに対して、たくましく、したたかに生きていく
強さを感じた。

自分に対して世間知らずだなと思う一方で、
世間知らずでいられる境遇にあることを改めて感じた。

hi02