「万引き家族の万引きの意味」万引き家族 るーこさんの映画レビュー(感想・評価)
万引き家族の万引きの意味
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終盤、警察に捕まり尋問を受けている時
「子供に万引きさせるの後ろめたく無かったですか」
「俺には他に教えられる事なんにも無いんです」
なぜ信代や妹の亜紀は働いているのに治は働かず万引きを続けているんだと思って観てましたが、この一言で万引きはこの作品で愛情を示す最大のキーワードだったと思いました。
当然万引きはいけない行為ではあるけれど教養も何も無い治が、血が繋がって無くとも父として親として唯一祥太に教えてあげられる事が万引きだった、という祥太への深い愛情と絆がこの一言に凝縮されていると思い涙が込み上げました。
レビューを見ていて思う事は、温かで幸せな家庭にぬくぬくと育ち親にたくさん愛情を受けた人には不快感だったり嫌悪感な感情しか持てないだろうけど、同じように不遇な境遇で育った人には心に刺さる作品であるだろうなと思いました。
りんはこの先どうなるのかというスッキリしない思いはありますが、伏線の一つであるラムネのビー玉を、お風呂で一緒に唄った数え歌を唄いながら数えている場面では、りんは間違い無く万引き家族にたくさんの愛情を注がれたのだと思えて深く胸に滲みるラストでした。
日本アカデミー賞とキネマ旬報が最優秀作品として選び、さすが稀にみる両者の選択が一致した作品であったと思いました。
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