劇場公開日 2018年6月8日

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「「賞を穫る!」という意欲に溢れた作品」万引き家族 Scottさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0「賞を穫る!」という意欲に溢れた作品

2018年8月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

俳優さんが豪華だよね。「このチョイ役に池松壮亮!」「物語終盤のこの段階から池脇千鶴と高良健吾!」「この一瞬のために山田裕貴!」「その一言に蒔田彩珠、その父親に緒形直人!」って。みんな主役で映画が撮れるもんね。

もちろん主演陣は超豪華になるんだけど、リリー・フランキー、安藤サクラ、樹木希林が作ってく芝居に松岡茉優がちょっと合わない気がしたの。「ここだ!」ってシーンの表情とかは良いんだけど。ここ本当は夏帆つかいたかったんじゃないかな。

映像も綺麗だよね。見えない花火を見上げるところとか。リリー・フランキーと祥太が雪だるまつくるところなんて、モノトーンで決めてるしね。でも「あざといなあ」とも同時に思うの。「どう、このシーン、綺麗でしょ?」って言われてる気がする。

映像の綺麗さにも関わるけど、雨のシーンも多いんだよね。加えて雪のシーンもあるし。予算潤沢に使えたのかな。

端役に至るまで豪華俳優の起用、限定された気象条件での綺麗なシーンと「やったんでー」という意欲に溢れた作品だなあと思った。「見ろ、俺が是枝裕和だ!」って感じ。カンヌで賞獲れて良かったね。

そうした気合を活かす脚本はものすごくうまいと思った。細かなシーンを重ねて、少しずつ少しずつ「家族って?」っていうのを自然に訴えてくる。

「映像の力も活かした映画らしい良い作品」という気持ちと「作為が隠せてなくて嫌味になってる」という気持ちが半々になる映画だったよ。

Scott