「自分の中にだけそっと落とした言葉を思うと。。切なくなりました」万引き家族 ちいまめさんの映画レビュー(感想・評価)
自分の中にだけそっと落とした言葉を思うと。。切なくなりました
家族とは何か、人とのつながりとは何かを考えさせる映画でした。
血のつながりのない人たちが集まって身を寄せ合って、どこからが本物の家族かがわからなくなりました。
治の親になりきれない「おじさん」との関係と、母性あふれる信代との関係は本物といってもよい関係で、1つの家族としての集合体にいくつもの関係性が混在し、その生活の中で起こる祥太の気づき。
いわれるままに万引きで生計を立てていたが、ふと善悪の疑問に気づき、生活を終わらせる決意をする。
祥太の成長物語のように感じました。
複雑な共同生活、彼らの声として届けない最後の言葉。
届けることをやめ、自分の中にだけそっと落とした言葉、何と言おうとしたのかを考えるとまた切なくなりました。
声にできなかった言葉が胸をチクチク刺すような映画でした。
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