劇場公開日 2018年6月8日

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「様々な社会問題を本気で理解してない人には伝わらない映画」万引き家族 こーきさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5様々な社会問題を本気で理解してない人には伝わらない映画

2018年6月25日
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鑑賞方法:映画館

怖い

知的

難しい

本作を見て、メッセージが伝わらなかった人に是非見ていただきたいレビュー。
私も見ている時は本質を理解ができていませんでした。

本作で取り上げられた社会問題
万引き、DV、障害者の風俗、年金詐欺
拉致、強盗、売春

『私たちは恵まれた環境で育ってきた』
これを十分理解して見なければならない。日本は、私たちが育ってきた環境はとても平和ボケしている。世界中には、いや、日本にも普通に生きるのが難しい問題を抱えて生活している人がたくさんいる。それを理解しなければならない。

『社会から見放された人について』
障害者の風俗通い、学校に通わすことのできない家庭、売春でお金を稼ぐ高校生、少な過ぎる年金で暮らす高齢者、働くことのできない大人。
「馬鹿だな。それは自分が悪い。」で片付けてしまっていいのか?
制度は作ってる?
じゃあその人たちに伝わっているのか?
そもそも、それはパフォーマンスだけの制度じゃないのか?
その人たちのことを本気で考えている人なんているのか??
そんな少数派のために尽力できる政治家なんているのか?
自分たちとかけ離れた人たちを気にかける人はいるのか?
と私たちに訴えている。
彼らのような、社会から見捨てられた人達に僕達ができることは何も無いのか。

『家族について』
血が繋がってなくても、どんな関係だろうと、家族になれる。
世の中の多くの人が家族の定義を勝手に作っているだけ。思い合うことが1番大切なのに、それを放棄して血が繋がっていれば家族だと、信じ合えると言い聞かせている。本質を見失った家族ほど、他の家族にケチをつける。おかしいという。家族は比べるものなのか。思い合うことを忘れては行けないし、様々な家族の形を尊重しなくてはならない。

『フェイクニュースについて』
私たちは事実にしか目がいっていない。しかし、それは真実じゃない。
世の中に広がるフェイクニュース。確かに事実。だけど、真実のほんの一部分だけがニュースとなっている。過去にどんなことがあったか、なぜこんなことをしたのか、そのような視点が必要だと訴えてる。

刑事の目線は私たちのような「関係の無い人たち」の目線。刑事「それは家族といえないでしょ」 ←決める権利ない

拉致された子を家に返す。虐待がまた始まる。しかし、私たちにはなにも出来ない。誰かがどーにかしてくれる。私たちには関係ない。
そんな世の中で、虐待を受けている子供を救う手段は、『拉致』しか無いのかもしれない。現代では。

最後まで読んでいただきありがとうございます。正しい解釈では無いかもしれません。批判も真摯に受け止めます。コメントお願いします。

こーき
ウィリーさんのコメント
2019年2月23日

そんなに深い意味はないですよ。世の中にはテキトーに生きて、テキトーに生活している人間なんぞ、沢山いる。それこそ、簡単にプロパガンダによって振り回される人間がほとんどで、感じたままに生きてる。
テキトーじゃ生きられないから、軽微な犯罪に走る。それを映画にしてもねぇ…。

ウィリー
2018年7月4日

こーきさんが言う通り自分が生まれてきた環境、生きてきた環境で映画の作品の評価はかなり変わると思います。

巫女雷男
shinさんのコメント
2018年7月4日

私も『恵まれた環境で育ってきた』人です。なので、この映画に出てくる人たちのことを理解するのは一生かかっても出来ないと思います。ただ、理解する努力は怠りたくありません。

幼児虐待
この問題に関しては、考えただけで胸が詰まり苦しくなります。何も出来ない自分をもどかしく思います。

この映画に対して正しい解釈はないと思っています。一生考え続けなければならないテーマばかりの映画だと思います。

shin
しゅうへいさんのコメント
2018年6月26日

私も鑑賞して理解ができませんでした。家族は血の繋がりだけではない、ということをぼんやりと感じた程度です。
日本が抱える様々な社会問題の縮図のような彼らを描くことで、ニュースなどで知った風になってしまっているだけの私たちに、気付きを促しているわけですね。
いろいろなレビューを読む内に、自分の世間知らずさ加減が身に染みてくるようです。
もう一度観たくなりました。

しゅうへい