「俳優は良かったが」万引き家族 Sinichiroさんの映画レビュー(感想・評価)
俳優は良かったが
カンヌ映画祭受賞作品という情報に飛びつき、予備知識なしで、「そして父になる」と同じような「家族モノ」だろうと予想して観ましたが、裏切られました。良くも悪くも。
女優さん、子役さんの演技は、すばらしく見事なものがありました。特に安藤サクラさんは、冒頭はおっかなく、途中は色っぽく、後半は叙情的で、すごみを感じました。
松岡茉由さんも汚れ役をリアルに演じていてすごいと思いました。
リリーさんはいつもどおりの自然体な感じです。この俳優陣の演技を引き出したのは監督の手腕でしょう。
この辺りは、フランスでも評価されたと思います。
しかし、映画全体の感想は、最初から最後までただただ寂しく、救いがないという感想です。
この映画を社会問題とか、政治問題と捉えてはいけないと思います。
人間って、いい面と悪い面があって、人と人との結びつきも、多種多様なんだ、というくらいの捉え方でちょうど良いかな、と自分は思いました。
私は、映画を見た後に、もう少しほのぼのした気持ちになることを期待していたので、低い評価にさせていただきました。
うーん、見方がわかってないのかもしれないですが、ドキュメンタリーではないのだから、問題を切り取って見せておいて、問題提起もなし、というのはやはりいただけません。あくまで私見です。
レビューの中には感謝されてる方もおられるので、こういうこともあるよ、という認識するだけでもいいのでしょう。
別に政治的な映画だから政治的に観なければいけないわけではないでしょう。
この映画を尊重しておいてこの映画を嫌う人のコメントを尊重しないのはダブルスタンダードのように思います。
しょせんたかが映画です。
好きでも嫌いでもいろいろな見方があることも多様性の1つではないでしょうか?