劇場公開日 2018年6月8日

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「左翼によくある厚顔無恥、ドン引き家族」万引き家族 曽羅密さんの映画レビュー(感想・評価)

1.0左翼によくある厚顔無恥、ドン引き家族

2018年6月16日
PCから投稿

まず一言断っておきたい。
筆者は映画学校在籍中に是枝監督からドキュメンタリー制作の手ほどきを受けたので恩義を感じている。
ただし、是枝さんの最近の発言を残念に思っているし、何より作品が残念な出来に思えてしまう。
なお最近のカンヌはクィア・パルムというLGBT映画専門の特別賞を新設するほどかなり弱者養護色の強い左翼系映画祭であることは知っておいた方が良い。
ハリウッドも含めて世界的に映画界は左巻きだけどね…
最近はインド映画など新興国の映画の方がひねくり回したこじらせ感がなくて単純に観ていて面白い。

LGBT問題を扱ってカンヌでグランプリを取った『BPM』も、個人的には会議シーンがやたら多くてつまらなく感じ、けっこう寝た作品であった。
先日友人が言っていた。「LGBTを扱うのはいいけど、どうしてどいつもこいつもヴィスコンティ作品のように美しく描けないのか?」と。(それが才能の差か…)

本作を観る前に※自身のブログで是枝さんへの違和感を表明したので、ここで再度あげつらうことはしないが、やはりネットでも指摘されているように本作が政府助成金の支援を受けていながら「権力とは潔く距離を保つ」という発言をして国からの祝意を辞退したのはいただけない。
政府からお金をもらって反日活動をしている大学教授が多数存在する問題が国会でも取り上げられていたが、是枝さんにも同じ匂いを感じる。
また『うなぎ』で今村昌平がパルムドールを受賞した時に国は祝意など送ったのだろうか?

またこの疑似家族が万引きをする理由がわからない。
少ないながらも年金をもらっているばあちゃんがいて、他の成人の3人は働いている。趣味にお金を使っているとか生活が派手なわけでもなく、何か特別な事情もないのにどうして万引きしないと生きていけないのか説得力が皆無である。
彼らの万引きは単なる性向でしかないのではないか?
一部の保守が日本の恥部を国外にさらしてけしからん!と怒っているとのことだが、別に問題提起にもなっていない。
彼ら疑似家族が全般的に道徳心に欠けているようにしか思えない。
またこの疑似家族に本当に絆などあったのだろうか?
作品を観終わっても社会に絆を引き裂かれたようにも感じられなかった。

母が本作を観たいということで映画館に連れて行ったが、「何を言いたいのかよくわからない。つまらない。『誰もしらない』の方が面白かった」と言った。
エンドロールが終わって劇場内を見回しても一応にみなポカンとした感じだった。
「わたしまだやられたことないけど、車上荒らしこわいね」という女性の感想は耳にした。

なぜ是枝さんが血縁の家族に疑問を持ちたがるかは、是枝監督特集号の雑誌を斜め読みしてその生い立ちにあるかもしれないとなんとなく想像しているが、現在はご結婚もされて娘さんもいらっしゃるようなので肉親の情も普通にわかると思う。
そんな肉親の情を無理矢理論理で否定して頭でっかちに監督したのが本作だと思わずにいられない。
同時期に『羊と鋼の森』も観た。
『万引き家族』に比べて全くと言っていいほど客がいなかったし、主演の山崎賢人も特別演技が素晴らしいとも思わなかったが、ピアノの調律を通じて人の絆を浮かび上がらせる素晴らしい作品だと思った。興味を持って原作小説も買った。

本作の唯一の救いが柄本明扮する雑貨屋のオヤジだけというのはあまりにも寂しすぎる。

2011年以降のすべてのカンヌ映画祭パルムドール受賞作品を観ているが、一般の人が観たら「暗くて眠くて退屈な映画」となることを保証するし、筆者も実際に何作も映画館で寝ている。

自信を持ってあえて言う。
カンヌ映画祭のパルムドール作品を観る必要はない。
もっと純粋に感動できる映画は星の数ほどある。
観るなら話題作りぐらいの片手間でいい。

それと先日自殺した西部邁氏が30年近く前から指摘しているが、現在の第一の権力は政府ではない。民主主義の世論(せろん)を形成するマスコミである。

最後に、映画監督という人気商売が「権力とは距離を保つ」ことなど不可能だし、そんな現状を踏まえない是枝さんの発言も格好悪い。

※そらみつ文化チャンネル→つれづれ→左翼文化人があいついで死去ー左翼陣営に顕著な少子高齢化?

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曽羅密