劇場公開日 2018年6月8日

  • 予告編を見る

「映画の中だけの世界ではなく、日常に転がっている世界。」万引き家族 青猫さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0映画の中だけの世界ではなく、日常に転がっている世界。

2018年6月12日
iPhoneアプリから投稿

観た後は、魚の骨が喉に刺さって抜けないような感覚に陥った。しばらくは抜けなそうです。
でも、これはいわゆる映画の中でしかあり得ない様な世界ではなく、私たちの日常のどこにでも転がっているような世界だという事は、言わずもがな分かる事でしょう。
家族の年金を頼りに生きている為に、延命治療を続けてほぼ植物状態になっていても経管栄養で生きさせる。会話も出来ない状態の人に会いに来る家族は居ない。でも何故生きさせるか、それは治療費よりも高い年金が入ってくるから。そんな血の繋がった家族はたくさんいます。
生活保護を受給しながら朝からパチンコ屋に通い、仕事もしないのに衣食住に困らない人。受給を受ける為にわざと事故って怪我をするなど、不正受給を繰り返す人々も実際どのくらいの数がいるのかは把握さえしきれない。
虐待を受け亡くなる子供の数、年間50件以上。1週間に1人以上。そして、この映画のタイトルにもある『万引き』万引き被害額 日本は世界で2位。万引き被害額 4500億円以上。
これが日本の現実。。
この世界が無くなることはあるのでしょうか。

青猫