「なぜ義務教育で「中東情勢」を教えないのか?」運命は踊る 突貫小僧さんの映画レビュー(感想・評価)
なぜ義務教育で「中東情勢」を教えないのか?
本作品は、4か国合作の作品である。
私の世代には、難しすぎる作品だというのが感想だ。
この作品の惹句
「人は、運命を避けようとしてとった道で、しばしば運命に
出会う。」⇔「フォックストロットに尽きる。
「イスラエル国」が参加していること点を注視しなくてはいけなかった。私自身、あろうことか5分遅れて着席してしまった。
映像がどこの国の場面が映し出されているのか全く判らなかった。結局、主人公のフェルドマンは、どこに住んでいる人間?かも判らなかった。その息子もどこに徴兵にとられているのかも皆目見当がつかなかった。見始めて「ヤバイ、難しい映画かも…。」という不安が頭をよぎった。だいたいの「あらすじ」は、パンフレットで知りつつも、今回も「中東情勢」絡みかぁと思った。
前半部「息子の戦死」を知らされるフェルドマンが驚愕する。
一人にしてほしいところ、運悪く色々な人が、自宅にやってくる。亡くなった兵士用の聖職者が葬儀のスケジュールを話し続けるに場面には笑った。今度は、「息子の無事」を知らされることになるが。そこから、作品の流れが大きく変わる。画面に「フォックストロット」という文字。「?」
中盤から、息子が兵役に就いている「とある検問所」ここでの4人の兵士の自堕落な生活が続く。そんな生活が続いるうち
或ることが起きてしまう。
終盤、息子ヨナタンが家に帰宅する命令が下る。そこから、徴兵にとられている最中、暇つぶしで描いていた「絵」が、テルアビブに住むフェルドマンの言動や行動とリンクしていく。
最近、宗教的にも地理的にも複雑な中東を扱った作品が多い。私にとっては、ユダヤとアラブ、今もって紛争の絶えない中東情勢。義務教育で教授されない問題は、正直判りづらい。
ドイツで起こった「ホローコースト」を目の当たりにした、
現実に目にしたユダヤ人は減ってきているという「監督の言葉」が、一番心に沁みた作品であった。