「ちょっと泣けた。男の友情物語」メイズ・ランナー 最期の迷宮 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
ちょっと泣けた。男の友情物語
大仕掛けのスペクタクルシーンが2箇所あるので、その奇抜な発想と圧巻の映像に注目だ。ただし、その二つは似たような発想。まずは冒頭での列車襲撃シーン。西部劇やジャッキー作品でよくある列車強盗のようだが、オンボロ4WD2台という、近未来にしてはアナログタッチで最終的には敵から奪った飛行船によって宙吊り状態で貨車を運ぶというもの。目的は捕らわれたミンホ奪還だったのだが、彼は見つからず、同じく捕らわれていたエリスと仲間の女の子を助け出した。その落胆ぶりは彼らに対して失礼だろうに・・・とも思うのだが、若気の至りで気にせず、ミンホ、ミンホ、ミンホ~と、そんなに好きだったのかとトーマスの執着の凄さも感じ取れた。
RAリーダーはオンボロ大型船で地球壊滅の影響が少なそうな楽園への移住計画を伝えるも、トーマスはミンホ救出にこだわり、彼とニュート、フライパンの3人が最期の隔離地域ラスト・シティへと向かう。結局はホルヘとブレンダも後を追うように助太刀するのだった。そんなにトーマスのことが好きだったのか?
ラスト・シティの外堀では感染者やレジスタンスが住んでいたが、その中に懐かしい顔!死んだはずのギャリーがいたのだ。生きてたのか、よかったよかった。とはならずに、遺恨がまた再燃してしまうトーマスたち。裏切ったままWCKDに居座って研究を続けるテレサとは違い、反省しているんだから許そうよ。というより、早くも1作目の裏切り度合も忘れてしまってる自分。まぁ、テレサの裏切りの方が酷いよね・・・数十人と殺されてるんだし。
かくしてシティには潜入できたものの、ミンホがいると思われ中心のビルはシステム管理がなされ、侵入できそうもない。ということで、今度はテレサを逆利用しちゃえ!と、ついでにジャンソンも影の薄くなったエヴァ・ペイジも殺しちゃえ!と、潜入に成功するトーマス、ニュートたち。しかし、ニュートは感染してしまってた。耐性持ってなかったのね。迷路では2番手の古株だったのに。
そして、革命軍(?)の一斉蜂起。鼻もモゲてしまったリーダーのローレンスの「我々はクランク(感染者)だが、奴らはモンスターだ」という言葉がカッコいい。シティでは戦闘が勃発し、ブレンダは耐性のある子供たちを助けるのだが、ここでも序盤での奇をてらったバスごとクレーンという荒業を試みるのだ。バスの中の子供たちはたまったもんじゃない。絶叫マシーンなんて目じゃないくらいの恐怖アトラクションに化したのだ。
エヴァを殺したジャンソン、さらに彼もまたゾンビに殺された。結局のところ、ブレンダが発病しないことを不思議に思ったテレサがトーマスの血清だけが人類を救うほどの抗体を持っていたことに気づき、最期には和解するかと思いきや、やっぱり作者はテレサを嫌いだったのか、死んでしまいましたね・・・。ここでは泣けなかったのに、腹に銃弾を浴びたトーマスが死なずに目を覚ましたところで泣けた。さらにニュートからの手紙。熱くなる男の友情物語だったんですね。ボーイズラブかもしれませんが・・・。