劇場公開日 2019年11月1日

  • 予告編を見る

「恐怖とは?」IT イット THE END “それ”が見えたら、終わり。 しんばさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0恐怖とは?

2019年11月4日
Androidアプリから投稿

小さい頃は暗闇が怖かった。
気づかないうちになにかが近づいて自分を襲うんじゃないかとそわそわした。

まさにその恐怖を具現化したのが、前作のペニー・ワイズ。
闇にまぎれて、よくわからないうちにそれは近づいている、という不吉な恐怖があった。

しかし今回のルーザーズクラブはすでにいい大人。
自分がなにに恐れているか、恐怖の正体を知っている。
だから今作では、ペニー・ワイズは堂々と白昼から姿を現すし、ペラペラしゃべる。

代わりに恐怖をあおるのは、よく分からんクリーチャーたち。
片田舎の閉鎖的で古くさい町が舞台なのに、宇宙的造形なのはなぜだろう。

せっかく大人になったルーザーズクラブが、過去との邂逅を果たして自分の恐怖を見つめ直すのに、
その恐怖がクリーチャーのちぐはくさでよく分からなくなる。

もっと心理的な恐怖の表現があったんじゃないかなぁ。

でもやっぱり、どうしようもなく大人になったルーザーズが、覚えていたくない思い出と忘れたくない思い出に向き合い、今を変える力にするのはエモい。

しんば