「お化け屋敷 延長戦」IT イット THE END “それ”が見えたら、終わり。 Movieアパートさんの映画レビュー(感想・評価)
お化け屋敷 延長戦
個人的には大大大好きな一1本目の続編。
前作で子供達が恐怖と闘う様を見た時に自分は
未解決のまま大人の自分の中に残っていたトラウマ
みたいなものを映画の中でルーザーズクラブのみんなが打ち負かしてくれたように感じて、そこに何しろ感動したんだけど、今回のチャプター2は大人になったルーザーズクラブを通じて、自分が前作で感じたそのポイントを復習するような内容だった。
恐怖という感情から人は逃れることができない というポイントを大人もビビるほどにとにかく身も蓋のないホラー的演出とビジュアルで見せていくのがこのシリーズのキモだと思うけど、今作は前作からさらにパワーアップしたキモいものが目白押し。
ペニーワイズという存在が ホラー映画 というジャンルそのものを象徴するような側面が今作はより強くて、
キモいビジュアル映画の金字塔 遊星からの物体X へのオマージュみたいな化け物や、思いっきりシャイニングのセリフがそのまま出てきたりと、作り手も ホラー映画 としてのこの映画の役割にかなり意識的であるように感じた。前作もそうだったけど、お化け屋敷的なホラー映画の役割に徹するこのシリーズの姿勢はとても好感が持てる。
後は大人になったルーザーズクラブの面々が相変わらず誰一人として捨てキャラになっていなかったのもよかった。子供達の輝きが素晴らしかったこともあり勝手に心配していたが、みんな素晴らしかった。
ただ、捨てキャラがいない為に個別の恐怖シーンを全員分盛り込まなけれならなくなった結果、尺が伸びた感は否めない… ホラー映画としては今回の上映時間は問答無用で長いと言わざるをえない。
ペニーワイズについては、今作では決着をつけないといけないということもあって色々と存在そのものの種明かしのような説明が入っているけど、その点も ホラー映画 という点で行くと余計と感じるところはあった。
けど、その説明の間も キモさ が緩まないようにホラー要素はきちんと保持されているのでなんとかなってはいたと思う。ただ個人的にはそんな説明がつくよりも、人知れず人々を蝕んでいく恐怖の権化としてのペニーワイズの方が好みではあった。
大人になったなお前たち… という今作のペニーワイズの最後のセリフの境地に自分はチャプター1の時点で勝手に行っていたので今作は内容に関しては延長戦のような位置付けだったけど、ジャンルとしての正々堂々とした作りはよりキモくブラッシュアップされていたのでやはりこのシリーズは好き!
お化け屋敷映画最新作として楽しめた