劇場公開日 2018年9月28日

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「ゴージャスなハリウッド恋愛コメディ」クレイジー・リッチ! コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ゴージャスなハリウッド恋愛コメディ

2018年9月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

生粋のニューヨーカーであり中華系アメリカ人女性で、経済学の教授レイチェル。
彼女が、恋人のニックに誘われて、彼の故郷シンガポールで行われる親戚の結婚式に同席がてら、彼の親族にお付き合いの挨拶をすることに。
実家の話を避けてきたニックの家族に会えることと、初めてのアジア旅行でウキウキするレイチェル。
しかし、着いてみたら、男はシンガポールで王族並みの暮らしをする、華僑の大金持ち一家の跡継ぎ息子だった!
そして、「家」を一番大切に考える母からの精神攻撃や、金持ち息子(の身分と財産)を狙う他家セレブ女の嫌がらせが、レイチェルを襲う……

ってな展開で。残念だった点は、「桁違いにぶっ飛んだ金持ち」=「クレイジー・リッチ」という割には、彼の実家が、全然豪邸っぽくなく見えることだったけれども。

よくある「身分の差カップル」のラブコメ映画の域を出てないし、ありがちな展開ばかりなんですが。
それだけじゃなかった。

下手な感情的演出や、大声のセリフなどは使わない、すごくシンプルかつ知的に見せる演出に、上手い! よく出来てるな~! と感心。
ラストへの流れは完璧で最高。

あと、これだけアジア人種しか出てない映画なのに、アメリカ国内でヒットしたってのは、すごい。
移民が多く、また人種は関係ない「アメリカ人」って考えが支持されてる国ってことが大きいのかな。
冒頭の「白人しか泊めないロンドンのホテル」への反撃シーンなども含め、人種差別へのアンチテーゼも振りかけられていて。
ここにも、反トランプの影が見て取れます。

これを「成り上がり中国人が投資して、コンプレックスから白人社会を揶揄する映画を作らせた」なんて受け取ったら、「己がアメリカをはじめとした諸外国の移民事情に関して無知である」と晒すことになりかねないので要注意だな、と。ヘイトにもなりかねないし。

実のところ「アジアン系移民」の話、かつ「アメリカが勝つ」流れなので、「中国人もの」ではないのが肝。

いってしまえば、「アメリカが勝つ」シンプルでゴージャスなハリウッド映画で、恋愛コメディとして楽しめばいいと思います。

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コージィ日本犬