「どこでもよかったんだと思えるほど、今が心地いい。」アリー スター誕生 shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
どこでもよかったんだと思えるほど、今が心地いい。
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映画「アリー スター誕生」(ブラッドリー・クーパー監督)から。
何度も映画化された物語なので、説明不要かもしれないが、
シンデレラ・ストーリーは、どんな形に変えても私は好きだ。
「プリティ・ウーマン」しかり、主人公よりも、
その才能を見出し、磨き上げていく男性の気持ちに、
どうしても目がいってしまうのは、私だけではないだろう。
世界的ロックスターが、自分の成功よりも、彼女の成功を喜び、
今こうしている自分が好きだ、と呟くシーンがある。
「例えば、海に入る。海を漂っていてある日、港を見つける。
数日泊まるつもりが、数ヶ月になり数年に、
最初目指した場所も忘れてる。
どこでもよかったんだと思えるほど、今が心地いい。
俺はそうだった、今が気に入ってる」
何気ない会話だったけど、歳を重ねてくると、ズシリと響いた。
そう、もう自分のことよりも、未来を見つめた若者に、
輝ける場所を準備する方が楽しくなってくる気持ちはわかる。
そして、そっとアドバイスを忘れない。
「これだけは言っておくよ」「何なの?」
「魂の底まで掘り下げなきゃ長続きしない。
歌は正直なものだ。嘘は見抜かれる。
取り繕えば、今はよくてもいつか客は離れてく、本当だ。
だから手放すな。
『なぜ』とか『いつまで』と心配せずに歌えばいい。ただ魂の歌を」
やはりカッコよかったなぁ。
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