「May I...と言って、指舐める。」アリー スター誕生 Kjさんの映画レビュー(感想・評価)
May I...と言って、指舐める。
鼻触る。眉触る。距離が一気に縮まる。Shallowまでの流れは完璧な出来栄え。結局、身体目当てか?って決して思わせない。才能が互いに求める、人として求めあうふたり。彼女が彼にとってのラストピース。ステージを登場人物からの視点からしか映さないのも非常に良かった。
誰かに見出して欲しい乙女心と破滅的なオレの美学ー価値観が古い話だけに、それを打破する何かを期待するところ。しかし、それが後半も見出せずじまいの感が残った。
かつて、GAGAがPoker faceをピアノで弾き語った時にビックリしたものだ。こんな良い曲だったのか?それをあんなアレンジでレコーディングしたのか!って。ポップ自体に罪はない。しかしこの映画でのアリーのデビュー以降のポップナンバーは少し安っぽく、どうもアリーの進む道を正当化する余地を減じているように感じた。それこそGAGAがデビューした時の楽曲ぐらいの力があれば、この映画の着地が更にやるせない切なさに満ちたものになったかもしれない。
とはいえ、GAGAの歌唱力は心を震わせる力があり、ブラッドリーの演技はその苦悩の深さをよく示していた。ジャクソンは何に苦悩していたのか?断片的であったが、経緯をあまり説明しすぎないスタンスも正解かもしれない。アリーの父とジャクソンの兄もストーリー上、よく生きている。
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