「成功物語でも、ラブロマンスでもなく」アリー スター誕生 N.riverさんの映画レビュー(感想・評価)
成功物語でも、ラブロマンスでもなく
レディー・ガガの映画かとおもいきや、ガガの立ち位置はジャックという登場人物の不幸と苦悩を照射するスクリーンに過ぎず、主役はおそらくタイトルとは裏腹、ジャック役、ブラッドリー・クーパーの方で間違いないと思う。
直接、表現されないジャックの人生がアリーを通して、ちらほら透けて見える。このパーツパーツをゆっくりとつなげ直した時、見えてくる全貌と果ての結末に、一方でのアリーの成功に悲しみが止まらない。
これは成功物語でも、ラブロマンスでもなく、癒えない心の傷の物語だ。
やや全体が長く感じるのは、ガガサイドから注文でもあったせいか。カット割り、シーン構成を整理しなおせばもっとよくなる気がしてならない。
そこがもったいないけれど、間違いなく何度もリメイクされただけはある良作だ。
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