「鑑賞記録というか感情垂れ流し」アリー スター誕生 ハッピー・ホーガンさんの映画レビュー(感想・評価)
鑑賞記録というか感情垂れ流し
※長いです。
※ネタバレ含みます。
※映画の良し悪しというより、個人の感情の垂れ流しになってますので、ご了承ください。
「幸せ」は人の数だけ存在する。自らの夢を成し遂げることも、仕事をバリバリこなすのも、平穏無事な生活を送ることも、どれだってその人にとっては「幸せ」なのだし、それについてとやかく言う資格は他人にはない。
こと人生を共に歩むパートナーだってそれぞれが個人であり、それぞれにとっての「幸せ」は存在する。その「幸せ」を認め、受け容れることが実はそれほど簡単なことではないのではないかと感じさせられる、そんな作品でした。
私の妻は、かつて私と同じ職種に就いていました。もちろん職場は別なので共に働いたことは無いのですが、お互いの忙しさや大変さは共感できるものがあったと思っています。また、仕事をする上での助言をもらえることも多々ありました。そんな妻のことを頼りに感じていたこともありました。
ジャクソンとアリーもミュージシャンという同じフィールドで活動しています。互いの才能を認め合っていたであろう二人。しかしジャクソンはアリーの躍進を素直に受け入れられなくなっていく…。
実際ジャクソンは完全無欠の大スターではなく、葛藤と弱さを抱えた一人の人間です。余裕のなさを酒とドラッグで誤魔化して生きる、ギリギリでいつも生きている人間なのです。複雑な生い立ち(こないだのフレディといい、またかい!)の、一人の男なのです。ただフレディと根本的に違うのは、そんな自分自身を肯定してあげられなかったこと。思いやり、支えてくれるアリーという存在がありながら、逆にそのアリーを思いやるがあまり、アリーにとっての「幸せ」は歌手人生の飛躍と捉えたため、自分自身を消すことでしか解決策を見出すことができなかった。
都合のいい考え方かもしれませんが、アリーは歌手としての飛躍を諦め、ジャクソンと共に生きる道も良いと思っていたのではないでしょうか。スターとしての栄光を捨てたとしても、愛する人と共に過ごせればいいと。(辞めた後の人生がどんなに大変かとかは考えず、無責任に言ってますのでご承知おきを)でもきっと、ジャクソン自身が音楽に身を捧げてきた人だからこそ、この決断を下さざるを得なかったのだと思います。
ていうか、やっぱり夢の実現と平穏な暮らしって二者択一なのな!だれかどっちも実現できるって証明してくれよ!スターが誕生するためには、夢を叶えるためには幾度となく心を傷つけ、大切に思うものを手放さなければならない。そんな人生、私は嫌です…。
余談ですが、この作品に関しては妻と大いに議論を交わしました。自分の中にない考えを知ることもできました。一番印象に残っているのは
「この夫婦はもっとちゃんとお互いの考えを話し合うべきだったよね( ´Д`)y」
という言葉。思いを思いのままにしない、当たり前のようだけど、そんなことを大切にしていかなくちゃって思ったのでした。
ハッピー・ホーガンさん
稚拙なレビューに共感頂き恐縮です。
宇多丸さんは存じ上げなかったのてすが、今回、宇多丸&アリーで検索し、結末の解釈を拝見しました。
ブラックホール的な解釈、府に落ちました。
宇多丸さんは、ボヘミアン・ラプソディの「自身の人生の肯定」など、切れ味鋭い評論をする方ですね。
森のエテコウさん
今もあの結末を思い出しては考えさせられています。
宇多丸さんの批評はお聞きになりましたか。我が意を得たり!という感じで、自分の疑問に答えが出たような気がしました。