「だれでも心に孤独を抱えている」アリー スター誕生 Michiさんの映画レビュー(感想・評価)
だれでも心に孤独を抱えている
劣等感というマイナス感情は大きなプラスパワーの源になる。
ブラッドリークーパが演じるジャック成功したミュージシャンである一方、アルコールとドラッグ依存症である。 ジャックの片方の耳は難聴でもう片方の聴力も時間の問題と医者から言われている。 幼少期は家庭環境に恵まれず、自殺未遂をして大けがをしても、アルコール中毒の父親は彼に無関心であった。 その彼が、アルコールを求めてたどり着いたゲイバーで歌っていたアリーに出会う。 アリーは歌はうまいのに、チャンスを掴めない。 自分の顔に劣等感もある。 アリーの歌声に心を鷲掴みにされたジャックはアリーを自分のコンサートに呼び寄せそこからアリーはスターへの階段を登り始める。
ジャックはアリーとの出会いで幸せなひと時を過ごすも、アリーの成功への嫉妬、自分の凋落の現実からアルコールに逃げるようになり、アリーの成功の舞台を台無しにしてしまう。 それでもアリーは彼を愛しており、彼の戻る場所で待っている。 アルコール依存症の彼が治療プログラムから帰ってきたとき、ジャックを待っていたのは、アリーの舞台を台無しにした現実だった。 もう、彼は生きる力を失くしてしまった。
映画の最後にアリーが追悼公演で熱唱するバラード。 これから彼女が背負っていく愛する人を失った悲しみや孤独を思うと、涙もでない。 それでもスターであるアリーは歌い続けるだろう。
彼女の歌をまっているファンのために、心に孤独を抱えたまま。
結局人は成功しても人知れず孤独を抱えているのだ。
その時、周りの家族、仕事仲間、友人に支えられ、励まされ自分の役割を果たしていくのだと考えた映画だった。
アリーがジャックの心をつかんだ歌「Shallow」に私も心を揺さぶられた。 ガガ様の歌、最高だな!