「レディガガの熱唱がすべて伝えている」アリー スター誕生 ガバチョさんの映画レビュー(感想・評価)
レディガガの熱唱がすべて伝えている
無名の女性シンガーがスターへと成長していく物語。過去何度も映画化されているが、今回は現代版の「スター誕生」だ。まずレディガガの歌声が素晴らしい。特に初めて観衆の前で歌うシーンとラストのシーンは重要な場面として、本物の音楽の力が持つメッセージを十分に伝えていた。しかし単純にスターになっていく過程に拍手する明るい内容ではなく、音楽と人生とは何かと考えさせるような深い、やや暗い内容も含んだ作品になっている。音楽で才能がある者は少なくない。しかし世に出て活躍できる者はわずかである。またその人気を続けていくことも大変難しい。レディガガもブラッドリークーパーもそこが分かっているからアリーとジャックに生命を吹き込むことができたのだろう。音楽は人生そのものだから、嘘があればいずれ飽きれられ、忘れられていく。そんな厳しい世界に自分たちはいるのだと。
脚本はテーマにそって念入りに作られていることは分かるが、ポイントがいくつもあって、結局何を言いたかったのか分かりにくい面もある。しかしながら、自分にとって音楽とは何かを考えるきっかけになる映画である。
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